不動産の相続は生前からの準備がおすすめ!
税金以外の対策が長丁場!

「困難は分割せよ」や問題の切り分けといった発想は
目前の問題であればすぐに気づきます。

生涯でも直面することの少ない相続では、
問題をとらえ損なっているかもしれません。

対策は長丁場 長いようで短いかも?

相続の開始は明確には予定できません。

家族であっても「被相続人」と「相続人」に分かれることで
具体的な相続の開始手続きに移ります。

相続税の申告・納税期限は相続開始から10か月です。

長い時間の余裕があるようですが、

  • 葬儀・法要
  • 被相続人に関わる各種の手続き
  • 準確定申告
  • 遺産の分割
  • 相続税の申告・納税 etc

と相続人が対応することは多々あります。

被相続人が個人事業主であり、税理士の関与がなかった場合、

  • 記帳
  • 決算
  • 税務申告

と準確定申告にも工数を要します。

準確定申告の期限は相続開始から4か月です。

事業に最も詳しい被相続人への照会ができなくなっているので、
通常より時間を要する可能性があります。

準確定申告と並行して遺産分割や相続税にも対応していくことになります。

対策は長丁場 相続以降の問題もセット

相続の問題では、

  • 相続財産の分割
  • 相続税負担

は関連していますが、一致していません。

たとえば、山林。

田舎の相続では「ありうる」の相続財産の一つです。

相続人どころか被相続人ですら所有している山林を正確には知らない
といったことがよくあります。
 (不動産の相続は税金・登記だけじゃない!?)

山林の相続では相続税だけが問題ではありません。

固定資産税や「森林の土地の所有者届出制度」による届出の手続き、
さらに定期的な保全管理があります。

相続の手続きは税務申告や登記と一時的に済みます。

一方で、相続以降に所有者として対応すべき課題は長期に及びます。

相続以降の問題もセットで遺産分割を検討することになります。

対策は長丁場 税金対策だけじゃない!

山林の相続はマイナーな問題かもしれません。

山林を「農地」に置き換えてみると、相続問題「あるある」となります。

農業従事者(後継者)であれば、農地の相続での納税猶予を選択
といったこともあります。
 (納税者に有利な選択でも見送りする!?)

現実には農業に従事している相続人は多くありません。

農地の相続を巡っては、

  • 売却には宅地に比べて制約がある制度上の問題
  • 先祖伝来の資産の承継という心理的な問題

が混在することがあります。

被相続人と相続人、相続人間での相続財産のとらえ方も異なります。

相続開始以降から申告・納税までの10か月に問題が解決する
とは必ずしもいえません。

相続を短期間での手続きではなく、承継する財産の取り扱いまでを
検討対象とすると時間を要することがわかります。

「税」だけではない「相続」全体での対策は長丁場の想定が安全策です。

 

蛇足
相続人(予定者)の出生地や生活の場が地方や田舎であったとしても、
相続財産となる不動産の農地や山林には無関心なことはよくあります。
被相続人(予定者)と相続人との「温度差」も留意点となります。

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