名義の解決は相続も災害対策にもつながる!
公費解体が進まない背景

日常的には目につかない問題が非常時にボトルネック
ということはあります。

相続と災害は一見関連がありません。

ただし、関連したときが厄介です。

名義の解決 話しそびれる理由

「家族会議」ということばがあります。

ことばとしては知っているものの、緊張感がともなうこともあります。

日常生活でのやりとりよりも一段高い位置づけの問題が予想され、
気が重くなるかもしれません。

相続を家族会議でとりあげることにも当てはまります。

相続の開始・財産の処分・相続人の利害・税金の負担と
家族でも面と向かって話しにくい内容です。

相続の開始以降、やむなく対応することも少なくありません。

一方で、相続と関連した問題が相続開始以前にトラブルとなる
といったこともあります。

たとえば、災害時の「公費解体」。

名義の解決 公費解体が進まない!?

2024年(令和6年)1月1日に令和6年能登半島地震が発生しました。

復旧復興の一環として、被災家屋の「公費解体」が可能となりました。

被災者の負担を軽減しつつ、地域の復旧復興を支援する仕組みです。

公費解体を希望する被災者からの問い合わせも増えているようです。

他方、公費解体の受付状況が停滞している状況もあるようです。

原因の一つに建物の名義があります。

相続した家屋などの登記名義を変更していないことで、
公費解体の手続きが進まないことがあります。

建物の名義が過去の相続時に変更されていない場合には、
公費解体の申込みに相続人全員の同意を示す必要があります。

過去の相続時にまで相続人をたどる必要があります。

相続関係図の準備から始めることになります。

被相続人の「おい・めい」まで相続人に含めることになると、
公費解体以前の段階で滞ります。

相続関係図は上記だけでなく、広く相続人をたどる可能性もあります。

相続開始以降では、相続人の確定から取り組むことになりますが、
災害や公費解体が関連することで相続開始以前からも課題となります。

名義の解決 お金より名義の確認

相続を対象とした家族会議は先送りしがちとなります。

相続開始以降、やむなく対応することも少なくありません。

一方で、災害発生や公費解体といった当事者にとって唐突な
事態により相続開始以前に相続関連問題を扱う可能性もあります。

2024年4月より相続登記の義務化が始まりました。

所有者不明土地問題の対策の一環です。

登記の対象は不動産、土地と建物です。

相続には遺産分割や相続税とお金と関連した利害が目立ちますが、
過去の相続による登記の名義変更といった課題もあります。

話しそびれがちな相続問題ですが、名義の確認からアプローチする
という選択肢もあります。

解決には時間を要するかもしれません。

災害も相続開始もないときから確認を始めることがおすすめです。

 

蛇足
アイキャッチ画像は近所で見かけた工事現場です。
石川県ですが、能登地方ではありません。
何のために使う重機かわかりませんが、迫力がありますね。

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