税務会計とプライバシー 確定申告>年末調整と感じる理由
ちゃちゃっと仕上げるのが、いつでもベストとは限りません。
税務会計とプライバシー とある関与先での注意事項
私が初めて会計事務所に勤務した際に、勤務開始から数ヶ月後に所長(税理士)ととあるお客様を訪問することになりました。
家族経営プラスアルファという規模だったので、帳簿をチェックしているときも穏やかに仕事ができたのですが、一点のみ注意が必要でした。
その注意とは、会計事務所のスタッフは従業員と 目を合わせてはいけないというものでした(笑)。
そうした注意点の根拠や経緯は不明だったのですが、通常は他人にみせないはずのお金の情報を扱うので、経営者の方にとっては保護する理由があったわけです。
税務会計のサービスに限りませんが、お客様や関与先の情報を取り扱う仕事では、情報の取り扱い方次第でトラブルや誤解が生じるので、事前の準備が欠かせません。
税務会計とプライバシー 年末調整で困る定番の問題
税務会計で扱う情報は、一般的にはお金にちなんだものです。
とくに法人税・消費税といった税金では、事業活動によって生じてくるので情報の量が多くとも事業活動という範囲に限定されます。
これに対して、お金以外の情報が 付随してくる税金が、相続税や個人所得税です。
相続税では、相続する財産と相続人が関連するので、最もプライバシーに関わる税金といえます。
とはいいつつも、相続税に関わるということは日常的なことではありません(私はですが)。
より厄介なのは、個人所得税、さらに限定すると年末調整です。
源泉徴収制度とセットで捉えられがちな仕組みですが、本来源泉徴収制度と年末調整は別物です。
年末調整を簡単に表現すれば、給与所得者のための個人所得税の申告です。
個人所得税なので、給与の金額だけではなく、所得控除の情報も必要になります。
年末調整の研修で定番の質問のネタに、プライバシーに関わる情報を対象となっている方にどのように尋ねるかというものがあります。
(回答も定番となっており、「ビジネスライクに」・「サクッと」尋ねるといったところです)
所得控除のなかには、扶養控除など給与所得者の家族にまで踏み込んだ情報を必要とするものがあります。
そうした控除には、障害者控除もあります。
私がかつて勤務した会計事務所の同僚で、その当時の私と同様に経験が浅かった同僚がいました。
初めての年末調整の処理で、なかなか円滑に進まず、結果的に何度もお客様に問い合わせては処理を進めていました。
そのお客様との会計事務所との取引は十年以上続いていたようなのですが、私の同僚が度々の質問したことで、障害のあるご家族がいらっしゃることが判明したことがあります。
税金の処理という点では、控除が得られてよかったのですが、プライベートな情報を扱う厄介さを感じました。
税務会計とプライバシー 確定申告が増えて欲しい理由
税務会計のサービスに関わることになり、確定申告が増えて欲しいなあと思うようになりました。
単純にお客様が増えて欲しいということもあります(笑)。
年末調整は、短期間で一挙に処理を進めるという点では機械的に処理を進めざるを得ない特徴があります。
とはいえ、実際には通常の確定申告と同じ情報や資料を取り扱います。
税務会計とプライバシーというと、 資料の管理を重視しがちですが、処理を進めていく上での心理的な面でも誤解やトラブルが生じかねないことがあります。
年末調整という効率性重視だけが選択肢ではありません。
蛇足
転職の機会が多いと、確定申告にも慣れっこになったりします(笑)。
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