確定申告期に節税の話をしない理由とは?
優先順位を整理して無駄を防ぐ!
「節税」は無駄に税金を支払わないための対応ですが、
時期次第では悪筋(わるすじ)になります。
節税対策をとることが常に筋が良いとは言えません。
優先順位を誤解すると、かえって無駄が生じます。
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のどもアタマもスッキリと!
節税の順位 ピリピリがズレる時期
2月から3月の確定申告期は何かと忙しない時期です。
申告書を間に挟んで、税理士と納税者である依頼人が
ピリピリとした状況で向き合うこともあります。
ピリピリとした状況の原因には「節税」があります。
税理士は依頼人の適切な税務申告をサポートする仕事なので
節税の対策も業務の一環です。
依頼人からの問い合わせを待つまでもなく提案する
ということも少なくありません。
他方、依頼人も納税が迫っているため節税への関心が強まります。
とはいえ、そうした状況がズレる時期が確定申告期だったりします。
節税の順位 確定申告期にやるべきことは?
税理士の視点から確定申告期の優先を整理します。
確定申告期には、申告期限内での申告・納税が優先となります。
たとえば、事業所得での申告。
青色申告を選択して、損益計算書に加えて貸借対照表を作成し、
期限内に電子申告すれば65万円分の特別控除が利用できます。
- 売上-経費-特別控除=利益≒所得
- 所得✕税率=所得税
期限を超過すると特別控除が10万円になってしまいます。
特別控除はお金の流出なしで経費と同じ節税効果があるので、
期限後申告が残念なことがわかります。
青色申告・貸借対照表・電子申告・期限内での申告は
定番であっても優先度の高い節税対策です。
節税の順位 対策は前向きに!
期限内申告が優先順位の高い節税策ではあるものの、
他にも打ち手はあります。
筋の良い節税策では、経費と所得控除の漏れのない計上です。
- 売上-経費=利益≒所得
- (所得-所得控除)✕税率=所得税
現金で支払った経費やプライベートのクレジットカードや銀行口座から
経費の支払いがあると漏れが生じることがあります。
同じサイフで生活している家族がいるのであれば、医療費控除や
社会保険料控除の計上も見逃せない対象です。
前年分のお金の支出を再確認することはシンプルですがおすすめです。
小規模企業共済等掛金控除は節税と将来の資産形成に有効ですが、
将来に向かっての対策となります。
残念という以上にタブー視すべきは、売上除外と架空経費の計上です。
納税対策にはならず、かえって問題を増やすだけです。
確定申告期にできる節税策には限界がありますが、
できる対策は早めに打つことがおすすめです。
中長期の節税策は、事業所得との関連では
- 青色申告(貸借対照表・電子申告)
- 小規模企業共済・iDeCo等
- NISA etc
といった対応があります。
青色申告であれば、適切な判断での適時の会計処理も節税対策です。
目新しい節税対策ではありませんが、定番の節税対策は
効果も確実性もあります。
確定申告期に納税額でピリピリすることともお別れできます。
蛇足
アイキャッチ画像はのど飴です。
確定申告期はのどを痛めやすい時期でもあるので、
のどとアタマを同時スッキリできるのど飴が最適です。
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