放置されている勘定科目はありませんか?
決算書で滞留し続ける理由とは?
カチッとした試算表や決算書をみるとホッとします。
他方、みていないところはみていないままかもしれません。
フォーカスする対象の調整も必要になります。

放置せずにいただきます
放置科目 損益も残高も確認したが…
会計処理はデータの収集から入力、決算を経て結実します。
月次であれ年次であれ、個人であれ法人であれ違いはありません。
処理が一旦終了した段階で、貸借科目の残高を確認して、
損益勘定や消費税区分をチェックします。
訂正や追加の処理により会計処理の完成度を高めます。
決算書が仕上がれば、次の税務申告書に移っていくことになります。
決算・申告の定石の展開です。
損益も残高も適切ならば不安はないはずです。
他方、そうした状況でも見逃しがちな対象はあります。
放置科目 見逃しがちな対象とは?
損益科目は売上・経費を構成して、利益・所得につながります。
どの勘定科目にも注意が向きます。
一方、貸借科目は必ずしも全ての科目が注目されるとは言えません。
たとえば、償却済みの固定資産。
備忘価格1円のみを計上して決算でもスルーかもしれません。
あるいはリサイクル預託金。
車両を取得した際に計上したものの、その後は放置されます。
損益に積極的に影響しない貸借科目は放置されがちになります。
損益、税務申告に影響がないことで関心が弱まりますが、
放置が長期にわたると実態がわかりにくくなります。
リサイクル預託金を複数の車両分の合算である場合に該当します。
法人であれば、経営者と会社のサイフは分かれます。
法人と個人のお金のやりとりは「貸付金」や「借入金」として
貸借残高に滞留することもあります。
本来分かれているはずの法人と個人のサイフが曖昧になります。
放置科目 あるべき状態を反映させる
私の住んでいる石川県は雪国なので冬には雪が積もります。
2025年(令和7年)も暖冬かと思いきや、1月末から2月には
例年並みの積雪となりました。
とはいえ、雪は時期が来れば融けてなくなります。
貸借科目の残念な残高の滞留は放置していても解消しません。
適正な会計処理の結果、勘定科目残高に変化がないことと
不作為による放置は分けて対応する必要があります。
損益計算に直接影響しない貸借科目は放置されがちですが、
放置状態では経営の管理の支障となります。
月次でも年次でも残高の確認とともに解消がおすすめです。
蛇足
アイキャッチ画像は仕事先でいただいた差し入れです。
2025年(令和7年)2月の石川県はゆきがふったものの、
3月を目前に雪が急速に融けつつあります。
白い季節からの移り変わりを感じます。
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