外注費と給与の違いで利害対立になる!?
働き方の現状確認が優先です!
同じ取引でも立場が変わると見方が変わる
といったことはあります。
外注費と給与の関係もその一つです。
税務会計の定番論点の一つなのですが、
定番化していることが問題です。
誰がヤキモキ 利益一致のWin-Win?
望ましい取引として「三方良し」経営があります。
売り手良し・買い手良し・世間良し、といった取引であれば
文句のつけようがありません。
2024年(令和6年)は人手不足と賃金UPが話題です。
物価や社会保険料の上昇が見込まれている状況です。
お金を支払う側と受け取る側の駆け引きが注目されます。
そのお金は外注費なのか、給与なのか?という問題が
依然として残りそうです。
誰がヤキモキ 税負担の想定のズレ
同じ金額であっても、「外注費」と「給与」では税金の計算上、
大きな違いの原因となります。
まず、支払う側の視点。
外注費も給与も事業上の経費としては共通です。
違いが出てくるのは、所得税・消費税・社会保険料の負担です。
外注費として「事業者」に支払った金額が「給与」となると、
- 給与に対する源泉徴収、年末調整が必要になり
- 外注費として消費税の仕入税額控除ができず、
- 「従業員」の社会保険料負担が加わる
といった想定外の負担が押し寄せます。
仕事を外注することによる経営負担の減少が裏目に出ます。
他方、お金を受け取る側。
「従業員」のつもりが「個人事業主」になっていることで、
- 所得税や消費税の確定申告が必要になり、
- 社会保険を自前でカバーする
といった想定外の事態となります。
コスト削減を期待する支払う側と安定した経済状況を期待する
受け取る側の思惑のズレが外注費・給与の問題となります。
誰がヤキモキ 現状の働き方を確認!
外注費・給与の問題は当事者だけであれば曖昧になりますが、
税務申告でははっきりさせることになります。
支払う側にとっては外注費での申告となります。
受け取る側が給与として認識している場合には、
確定申告の必要性が出てきません。
(支払主から確定申告の資料もらいました!?)
外注費・給与の問題では複数の判断する対象があります。
- 代わりの人材で穴埋めできるか?
- 仕事を独立して進めているか?
- 仕事が未完であれば支払わないか?
- 材料や仕事道具が提供されているか?
上記の項目に当てはまるほど外注費として取り扱いますが、
一手詰めで決まるとは言えません。
上記以外の項目を含めた「総合的な判断」で対応が分かれます。
働き方の改革が注目されていますが、現状の確認が優先です。
支払う側と受け取る側でのズレが想定外の不利益となる
といった可能性があります。
蛇足
アイキャッチ画像は唐辛子の束です。
実家の両親が知人から魔除けとしていただいたそうです。
不届き者に食わせれば撃退できそうな量です(笑)。
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