仕事とプライベート 分けるために一緒にする

字面は奇をてらっても、現実では妥当。


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仕事とプライベート 公私混同が嫌われる理由

公私混同。
文脈を抜きにマイナスイメージのことばです。
○○ハラスメントや汚職を連想します。

公私混同、仕事とプライベートを混同することがタブーなのは、
・権限の逸脱
・公費(含む会社のお金)の濫用
といった組織運営を毀損する可能性が強いからです。

フリーランス・個人事業主の方では、組織運営とは距離があります。

そうした事業主でも、公私混同が嫌われる理由は、
・お金の管理
・時間の管理
での杜撰さがトラブルにつながる可能性があるからです。

今回は仕事とプライベートでのお金の管理をとりあげます。

仕事とプライベート お金が混在してしまう個人

ひとり会社であっても、法人であるならば、
会社と経営者のお金は別物です。
銀行の口座も別々です。
クレジットカードも法人用を作れます。

これに対して、個人では法人ほど明確なお金の管理が困難です。
・銀行口座は個人扱い
・クレジットカードも個人扱い

個人には、事業上使える法人の「法人番号」のような仕組みがないためです。
(法人番号とは、国税庁から法人に割り振られる識別番号です)

見方を変えると、個人事業主は意図しないお金の管理のしくじりに直面します。
・売上を入金した銀行口座の集計が漏れた
・クレジットカードでの私用分の支払いを経費に計上してしまった

上記のケースはうっかりであっても、
・売上除外
・過大や架空の経費計上
といった後々残念な結果になります。
(つまり後々の税務調査で申告の修正を迫られるわけです)

個人事業主での仕事とプライベートのお金の管理は、
法人と個人ほどはっきりした区別は困難です。

とはいえ、後々の誤解やトラブルを回避する対策も必要です。

仕事とプライベート 分けるために一緒にする

個人事業主のお金の管理は、会計上、売上と経費です。

事業上の帳簿作成することが必要ですが、客観的な資料として、
・銀行口座
・クレジットカード
の根拠も有効です。

銀行口座では、事業上のみ使用する口座の利用が有効です。
プライベートの口座を整理しておくと、うっかりのミスも減ります。

クレジットカードの利用では、プライベートの利用が混在しがちです。
カードの利用の都度、使用がわかるようにしておくと誤解を避けられます。

現金での支出でも、クレジットカードでの支払であっても、
仕事であれ、プライベートであれ、
同じように資料や根拠をたどれるようにしておくことがおすすめです。

個人事業主で仕事とプライベートでのお金の峻別は困難です。
その一方で、明確な区別がつけられるならば、トラブルは避けられます。

逆説的ですが、個人事業主は仕事とプライベートのお金の管理ために、
支払については、仕事とプライベートを分けるために一緒の仕組みをとっておくことが有効です。

 

蛇足
結果的に家計の管理にもつながります。

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