読書感想文を書こう とくに大人は

そろそろ夏ですし。

読書感想文を書こう マイナスの印象の理由

コロナ禍であっても、夏休みはあるはずです。
夏休みと抱き合わせとなるのが、宿題や自由研究や工作、そして読書感想文です。

なぜ暑い夏に読書感想文なのかという疑問はともかく、定番の課題です。
読書感想文というと、つまらない・書けないという悩みも定番のネタです。

読書感想文がつまらないという印象は、なぜ書かされるか、どう書いたらよいかという疑問とともに、正解が無く、評価の基準がわからないという課題への不信感もあるかもしれません。

読書感想文へのマイナスの印象の原因は、感想文という課題に問(とい)が内在していないことにあります。

読書感想文を書こう 二重のしんどさが書けない理由

読書感想文という課題は、本来子供向けの課題ではありません。
読書感想文は、読書から問を見出して自律的に応える大人向きの課題です。

読書感想文は、問の設定を自分で行うことが前提です。
(問が設定されている課題なら、小論文です)

問や疑問、違和感をことばにできるかどうかが、読書感想文を書くためのキモになります。

問や疑問、違和感は既知の知識や感性や印象との差異があって生じます。
言い換えれば、知識や感性や印象の蓄積が乏しいと、問や疑問や違和感は抱きにくくなります。

さらに問の設定が厄介な理由は、疑問や違和感をことばで表現しなければならないことです。
ことばで表現するにも、蓄積が必要です。

問を抱くための蓄積も、ことばで表現する蓄積も読書で培われます。
読書感想文が嫌われるのは、感想文という課題が読書不足を暗に非難しているからといえます。

読書感想文を書こう とくに大人は

大人になると、読書感想文からは解放されます。

求められるのは、レポート・報告書・顛末書など応答関係が明確な課題ばかりです。

応答関係が明確な課題は、曖昧な印象が少ないプラスの印象です。
問に対して応える関係は、思考や判断に一定の安定感が得られます。

とはいえ、問の存在が常に前提となっているでは、疑問や違和感を感じる機会は減っていきます。
常に応答関係が明確な課題だけでは、疑問や違和感を表現する力も付くはずがありません。

大人の方が子供(時代)よりも知識も経験も蓄積されています。
にもかかわらず、問を設定する機会が減っていくことがよくあります。

大人こそ読書感想文を書くべきでは、というわけです。

 

蛇足
自分が読んだことのない分野、著書を楽しく紹介してくれる方は貴重な存在です。
(関連:名著を理解する方法)

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