「生計を一にする」を見逃さない!
要件をクリアしていても家族に確認!
「整形をいつにする?」だと文字通り見当違いです(笑)。
「一(いつ)にする」と古風な読み方です。
生計を一にする 納税者はひとりでも…
消費税の申告や手続きはシンプルです、という発想は
実務上危険です。
税理士職業賠償責任保険の事故事例をみるまでもなく、
消費税の申告や手続きのトラブルが多いためです。
一方で、消費税は個人であれ法人であれ事業者のみが対象
とシンプルな一面があります。
申告書には事業者の取引によるデータが反映されます。
対照的に所得税の申告書では申告する納税者以外の
「生計を一にする」家族も関わります。
生計を一にする 所得控除だけじゃない!
所得税は個人の暦年(1/1-12/31)の所得にかかる税金です。
- (所得-所得控除)✕税率=所得税
所得から控除(こうじょ、差し引く)の過程があるので、
税負担軽減上、漏れをなくしたい対象です。
「生計を一にする」が対象となる控除は少なくありません。
雑損控除や医療費控除は給与の年末調整では対応しないため
確定申告で反映させる必要があります。
「生計を一にする」とは、同じサイフで生活すると言い換えられます。
進学や療養で物理的に離れて生活していても、生計を一にするは成立します。
同じ屋根の下で生活しているが完全に生活費を分離している
といった以外は生計を一にするとなります。
「生計を一にする」は所得税の申告書以前の段階でも登場します。
青色申告の特典の一つに「青色事業専従者給与」があります。
家族への給与が経費となる仕組みですが、生計を一にするも要件です
所得税の計算の前段階は以下の通りです。
- 収入-経費=利益 → 所得
経費となる青色事業専従者給与の取り扱いが税負担につながります。
生計を一にする 家族の所得もご確認
「生計を一にする」は納税者の家族の事情を所得税の計算に盛り込みます。
生計を一にするの確認だけであれば、納税者本人だけで完結します。
厄介な点は、生計を一にするに加えて、扶養控除や配偶者控除では
家族の所得も把握しておく必要があることです。
たとえば、配偶者控除と配偶者特別控除。
扶養控除であれば扶養親族の合計所得が48万円以下の確認が必要です。
所得税は「個人」所得税ですが、家族とも関連します。
とはいえ、家族だから機械的に控除が利用できる仕組みではありません。
年末調整でも確定申告でも、家族に確認をとった上での対応が必要となります。
蛇足
アイキャッチ画像はいただきものの柿です。
石川県加賀地方では今秋もクマが出没しているようです。
熟した柿がクマに狙われるのも、食べると納得できます。
<ご案内>
■林友範税理士事務所
■災害と税金の情報
■確定申告のご依頼も受付中!