譲渡所得は相談会の鬼門か!?
スッキリよりも確認事項の洗い出し!
秋以降は税務相談会に税理士として参加する機会が増えます。
時間の制約がある中でできる限りの回答をしたいのですが、
出たとこ勝負なので「鬼門」もあります。

鬼門の相談 定番の相談
毎年のことですが、11月には「税を考える週間」があります。
年明けから開始される確定申告へのキャンペーンともいえます。
冬間近の11月が火災予防月間であることに似ています。
国税庁や税務大学校でも各種の企画を催していますが、
税理士会でも相談会を開催しています。
私も市役所内の一角で相談業務に参加しました。
相談対象に制約はないものの、相談内容は毎度似通っています。
- 初めて確定申告をする
- 個人事業を今年から開始した
- 親族が他界して相続が発生した
- 不動産を譲渡した etc
どれも定番の相談内容ですが、個別の事情があります。
基本的な仕組みをお伝えしつつ、今後の対応をご提案します。
とはいえ、不動産の譲渡は「鬼門」となる相談内容です。
鬼門の相談 どうしてややこしいのか?
土地や建物の不動産の譲渡による所得は所得税の対象です。
譲渡所得の算出の式は以下のとおりです。
- 収入-(取得費+譲渡費用)-特例による控除=譲渡所得
上記の式だけを眺めると、事業所得と似ています。
- 収入-経費-青色申告特別控除=事業所得
他方、譲渡所得はシンプルな式とは別に確認事項が多々あります。
下記は確認事項の対象項目です。
各項目ごとに詳細な確認事項があります。
- 譲渡申告年
- 譲渡収入金額
- 取得費
- 譲渡費用
- 長期・短期の判定
- 各種課税の特例
- その他
譲渡所得は特例、税負担軽減となる措置が多い特徴があります。
特例の適用次第では税負担が大幅に軽減できる可能性があり、
逃せない対象となります。
一方、特例には適用するための「要件」が必要になるので、
早合点は避けたいところです。
鬼門の相談 確認事項の洗い出し
税務相談会を利用して税金の課題を解決することも選択肢です。
とはいえ、すべての課題がスッキリ解決できるとはいえません。
事業所得であれば、会計処理で帳簿・決算書の作成が必要となる
といったことが課題としてはっきりします。
譲渡所得であれば、特例やそれ以外の確認事項を洗い出して
確定申告までに備えるきっかけとなります。
漠然とした不安から申告する際の課題を洗い出していくなかで、
当事者による申告や税理士への依頼なども検討対象となります。
確定申告期になって慌てないだけの準備ができていることは
直近の将来に役立つはずです。
蛇足
税務相談会では「にちぜいくん」のぬいぐるみが相棒でした。
税理士会によると、着ぐるみの出動もOKだったそうですが…
にちぜいくんが相談に応じるスタイルもアリなんでしょうか?(笑)
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