経営者なら知っておきたい2つの共済とは? 事業も生活も守る!
1つではなく2つ知っておいてほしい共済があります。
2つの共済 年末や決算でおなじみ?
税務会計の手続きや処理というと、
- 事務的
- 無味乾燥
- ルーティンワーク
といった季節感のない印象です。
確かに毎日・毎月の業務対象では上記は当てはまりますが、
季節感のある取扱対象もあります。
たとえば、年末や決算目前。
決算後に確定する税金の負担を予想してみると、
節税対策が気掛かりとなります。
そうした節税対策の中でも比較的お勧めしやすい対象が、
- 小規模企業共済
- 経営セーフティ共済
といった2つの共済です。
どちらの共済も独立行政法人中小企業整備基盤機構が運営しています。
経営者であれば知っておきたい共済です。
2つの共済 共通する仕組み
「共済(きょうさい)」ということばからは相互扶助が連想ます。
生命共済や火災共済、JA共済やコープ共済が知られています。
経営や事業活動のリスクに対応という点で、
- 小規模企業共済
- 経営セーフティ共済
という2つの共済は有効な選択肢です。
■小規模企業共済
経営者のための退職金となる共済です。
共済ならではというメリットがあります。
- 掛金が月額1,000~70,000円と設定可能
- 掛金が全額所得控除の対象
- 共済金の受取は退職金・年金扱いで税負担減
- 貸付制度が利用できる
所得税負担の軽減が目立つので年末に注目されます(笑)。
忘れがちですが、契約者を対象にした貸付制度があります。
■経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)
通称は「倒産防(とうさんぼう)」。
取引先の倒産による回収リスクに対応した共済です。
- 掛金が月額5,000~200,000円で設定可能
- 掛金は必要経費(法人ならば損金)として計上
- 40か月以上納めていれば満額の解約手当金が受け取れる
- 貸付制度が利用できる
取引先の倒産により共済を利用するリスク回避というよりも
節税(税負担の繰り延べ)での利用が目立ちます。
共済に加入していると一時貸付金制度が利用できます。
2つの共済は対応するリスクは異なりますが、
- 貸付制度の利用
といった共通点があります。
事業継続では災害による被災もリスクとなります。
政府を中心に災害に焦点を当てた融資体制がとられるなかで、
上記の小規模企業共済による災害貸付も含まれます。
(2022年8月豪雨被害に融資対策が発動されています!)
事業継続の非常時ならば知っておきたい制度です。
2つの共済 とりあえず、ではなく
2つの共済をリスク回避や将来への備えとしてとらえると、
「とりあえず」利用しようかと検討することになります。
「とりあえず」共済を利用とするときは、
- 事業が黒字
- 手元のお金(キャッシュ)に余裕がある
といった状況が一般的です。
留意したいのは、2つの共済とも掛金が拘束されることです。
一定期間未満での解約では元本割れにもなります。
また、小規模企業共済で一旦減額すると、減額した分は運用されない
というデメリットも発生します。
2つの共済は事業や経営者にとって有効な選択肢ですが、
- 経営の現状だけでなく、
- 中長期の経営の見通し
といった面を織り込んで利用することになります。
「とりあえず」での利用はかえって余分な負担を作る
ことになりかねません。
共済のご利用は計画的に、がおすすめです。
蛇足
私は実家が農家(酪農業)だったこともあり、
「共済」=「NOSAI(農業共済)」の印象です。
保険と機能は同じでも「共済」ということばからは
人によって連想するイメージが異なるかもしれません。
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