会計処理の「仕訳」を理解していると経理がわかりやすくなります!
がっつり勉強しようとして挫折するくらいなら
ちょこっとステップアップが魅力です。
クリームどらやき(むらもと・白山市)
仕訳を理解 簿記は魅力だけど…
細かい説明を抜きに習得をおすすめする対象があります。
たとえば、地方での自動車免許。
私の住んでいる石川県は車社会です。
金沢市中心部以外では車の運転ができるかどうかが
行動範囲を変えます。
バスや電車といった公共機関が手薄で、冬の悪天候もあり
車の運転ができないと不便です。
同じように習得をおすすめできる対象が、簿記です。
習得するメリットは、
- 経理処理に必要
- 段階的な資格試験(日商簿記)がある
- 転職やキャリアアップにつながる
- 高度な数学の理解は不要
- 学習コストは比較的低め
と、なんだかいいことづくめです。
しかし、書店の資格試験コーナーでの簿記のテキストや
問題集の多さから挫折率の高さもうかがえます(笑)。
簿記の難しさは、
- 体系的な理解が必要
- 直感的ではなく抽象的な処理や仕組み
といったとっつきの悪さにあります。
とはいえ、簿記の処理を知っておくとお金や
経理処理のセンスアップになります。
仕訳を理解 仕訳(しわけ)の基本
複式簿記の処理はすべて「仕訳(しわけ)」というスタイルです。
一つの取引での金額をを左右に表示します。
たとえば、売上。
商品を販売する取引でも、掛取引と現金取引に分かれます。
見方を変えると、売上といってもお金を回収したかどうか
分けて管理しておく必要があります。
現金10,000円で売り上げた場合は、
(借方)現金 10,000 / (貸方)売上 10,000
という仕訳になります。
(「借方(かりかた)」・「貸方(かしかた)」は左側・右側程度の意味です)
同じ金額の売り上げでも翌月に入金される場合は、
(借方)売掛金 10,000 / (貸方)売上 10,000
という仕訳です。
「売掛金(うりかけきん)」は、
- 売り上げたけど
- 請求中で
- まだ、お金が手元に無い
ということを表しています。
簿記を勉強するときには、結果的には仕訳を覚えますが、
上記のようにどんな取引を表現しているかを理解することが
遠回りでも負担が少ないはずです。
仕訳を理解 「振替」を仕訳からアプローチ
仕訳とは異なり、日常的によく使うことばに「振替(ふりかえ)」が
あります。
簿記では仕訳をした後で、振替の仕訳を追加するケースがあります。
上記の売掛金の処理で翌月に入金された場合、
(借方)お金 10,000 / (貸方)売掛金 10,000
といった仕訳をします。
仕訳では、関連した取引で勘定科目を左右逆に表すことを
「振替(ふりかえ)」と表現します。
上記の入金での仕訳と当初の売り上げのときの仕訳と合算すると、
(借方)売掛金 10,000 / (貸方)売上 10,000
(借方)お金 10,000 / (貸方)売掛金 10,000
売掛金が左右で相殺されて、下記のようにまとまります。
(借方)お金 10,000 / (貸方)売上 10,000
もし、上記の取引でクレジットカード決済で手数料500円が
引かれていた場合では、
(借方)売掛金 10,000 / (貸方)売上 10,000
(借方)お金 9,500 / (貸方)売掛金 9,500
(借方)手数料 500 / (貸方)売掛金 500
という手数料が反映された振替の仕訳が加わり、合算すると
(借方)お金 9,500 / (貸方)売上 10,000
(借方)手数料 500 /
という仕訳になります。
どの勘定科目をデフォルト(プラス側)に表示するかは
勘定科目ごとに覚えていくことになります。
(勘定科目ごとに資産・負債・純資産・収益・費用に分類)
簿記全体の学習は体系的な積み上げが必要です。
その一方で、個別の取引は仕訳というシンプルで情報を圧縮した
表現をとっています。
経営を始めたばかりの方なら直面している処理から理解すると
経理処理の理解が進みます。
蛇足
アイキャッチ画像のどらやきに描かれているのは獅子頭です。
(温故知新 波除稲荷神社の獅子頭を見習う)
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