温故知新 波除稲荷神社の獅子頭を見習う

波除(なみよけ)も稲荷(いなり)も、あらためてみると難読漢字ですね。


ノウゼンカズラ

温故知新 ちょっとさかのぼる

何かしないと、どうにかしないとと考えていると堂々巡りになります。
そうしたときには、私は目前の問題から距離をおいてみることにしています。

今の自分と似た境遇の方を参考にする、同業者を参考にするということが思い浮びます。

長い時間で考えれば、私と似たような方もいるかなという発想にもたどりつきます。

温故知新というと、長大な歴史を参照するイメージもあります。
文言上は、とくに古典や古代を参照しろといっているわけでもありません。

私は、自分より一世代前の昭和の時代(1950年代~1970年代)を振り返ることがあります。
隔たりは感じつつ、現在と地続きという印象が参考になりそうな印象です。

温故知新 波除稲荷神社の獅子頭

波除稲荷神社といえば、東京築地の神社として知られています。
この神社の鳥居をくぐって、すぐ右側に巨大な獅子頭が置かれています。
(「厄除天井大獅子」高さ2.4m・幅3.3m・重さ1t)
巨大なためか、妖怪「たんたん坊」に見えるかもしれません(笑)。

この獅子頭は、石川県白山市(旧鶴来町)の知田(ちだ)工房で作られたものです。

現在は2代目の方が獅子頭を作成されています。
2代目?
巨大な獅子頭の作成という印象とは異なり、知田工房での獅子頭作成の歴史は長くありません。

大戦後、この工房の先代(獅子頭作成での初代・知田青雲氏)が当時作っていた桐ダンスの需要の落ち込みを懸念していました。
新規の商品開発のため、当時獅子頭作成をしていた方より作成の技法を習得。
その後、工房では獅子頭作成を専業にされたそうです。

由来不明なほどの昔からの工芸ではなく、オリジナルでもないわけです。

由来や経歴ではなく、工房の成果として現在に作品を残しているわけです。

温故知新 前向きにパクる

パクるというと、手抜きや劣化版、デッドコピーの印象があるかもしれません。

一時的な措置やつなぎの対応ならば、質の向上を予定していないので悪印象も当然かもしれません。

それとは別に、パクリや模倣から始まっても、事業の中核に据える商品やサービスでは、オリジナルとは別の成果を期待できます。
オリジナルとは異なる条件での開発や販売・営業、フォローを続ければ、オリジナルとの違いが創れるはずです。

どれくらい重みをつけてパクるかが分かれ目です。
温故知新という堅苦しさは、意外なほど身近なヒントのきっかけになる発想です。

 

蛇足
波除稲荷神社と白山市の交流は続いています。
毎年、同神社のお田植祭が白山市で行われ、そのお米で作られたお酒が新嘗祭で奉納されています。

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