現実の引当金はどこにある?

幸せの青い鳥みたいなものかも!?


オオイヌノフグリ

現実の引当金はどこ? 誤解される理由

あからさまな専門用語は気が重くなります。

たとえば、減価償却費(げんかしょうきゃくひ)や所得や控除(こうじょ)。

気が重い反面、専門用語は日常生活には無い考え方であったり、
処理をする上で注意を促す目印にはなります。

うっかり放置しがちで誤解のもとになるのは、
普段使っていることばと意味の異なる専門用語です。

たとえば、引当金(ひきあてきん)。

日常生活でも、事業でも「引き当てる」といったことばの遣い方はあります。
将来のお金の負担を予定して、お金を確保する印象です。

日常生活でも、事業でもそうした引当金の印象は似ていますが、
税務会計では誤解の素になります。

現実の引当金はどこ? 絵に描いた餅にとびつかない

引当金については、以前も紹介しました。
(事業活動のディフェンス 引当金とは)

引当金は、将来の事業上の費用や損失に対して、
会計上の経費を計上しておく仕組みです。

引当金の計上条件は、以下の通りです。
・引当の対象は将来の特定の費用や損失
・費用や損失の原因が計上以前にある
・費用や損失の発生が高確率で起きる
・費用や損失の金額を合理的に見積れる

こうして引当金をみると、日常生活から遠ざかってきた印象です。
もうちょっと遠ざかっていきます(笑)。

引当金を会計で計上すると、「繰入(くりいれ)」と表現され、経費となります。
複式簿記では、計上したときの費用と将来の負債として記録されます。
((借方)引当金繰入 / (貸方)引当金)

繰入れられた引当金は、経費ですがお金が出てはいません。
経費として計上された引当金は、結果として同じ金額が手元に残ることになります。
固定資産を経費にしていく減価償却に似ています。

さて、こうした引当金の説明を聞くと3通りの感想に分かれます。
・税理士志望者「凄い!合理的な発想だ!」
・経営者「・・・(うさんくさいなー)」
・一般の方「お金を貯めるんですか?」

目が曇っていると、絵に描いた餅にも飛びつきます(笑)。
専門用語の字面ではなく、実態の理解や対応が重要です。
経営者や一般の方の見方が、現実には大切です。

現実の引当金はどこ? お金の流れのなかで

会計の勉強をしていると、引当金はメジャーな論点です。

その一方で、現実には貸倒引当金の計上がみられるくらいで、
お金の出ていかない減価償却に比べてマイナーな処理です。

引当金が実務上扱われないのは、
・見積の要素が大きく、
・経費となり利益(所得)を小さくして、
・納付する所得税や法人税が減る
ということで税務上ハブられているからです。

また、引当金が絵に描いた餅に見えがちなのは、
計上された金額のお金が常にキャッシュの状態であるわけではない、
という現実の経営でのやりとりを想起するからです。

帳簿上のお金と現実のお金(キャッシュ)は必ずしも一致しません。

現実には、現在の手元のお金と将来の想定を含めた資金繰りが必要です。

計画や想定を見える化することも大切ですが、
まず現状の把握をタイムリーにする必要があります。

 

蛇足
抽象的な処理は、現実や実態を置き去りにしかねない知的な印象があります(笑)。

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