「年末調整計算シート」利用のメリットと限界とは?

メリットと限界を知っておくと、イイトコドリができます(笑)。

年調シート 待ってました!?

期待していた代物が登場してきたときには、
「待ってました」という反応が自然にでます。

その一方で、期待していた代物が、

  • 今更いまさら
  • これだけか…!?

といった反応にとどまることもあります。

たとえば、「年末調整計算シート」。

国税庁がサイトで無料配布している年末調整のための
ExcelやGoogleスプレッドシートで利用できる計算シートです。

年末調整計算シートを利用することには、

  • メリット
  • 限界

を理解しておくことがおすすめとなります。

年調シート 仕組みのベースキャンプ

まず、年末調整って何をやってるのかを確認しておくと、

  • 会社などの給与支払者が
  • 毎月の給与から天引きしていた源泉所得税を
  • 各給与所得者ごとに
  • 年末に精算する

といった処理といえます。

10~11月に勤務先からアナウンスがあり、

  • 保険料などの控除証明
  • 各種の控除申告書

といった提出を求められるはずです。

無事に処理が済めば、年末に「還付」が得られる
ということが例年続いているかもしれません。

源泉徴収と年末調整による仕組みが機能していることで、
所得税の確定申告が不要という効率的な一面があります。

一方で、上記の仕組みの結果、

  • 所得税の申告の仕組み
  • 税額の負担
  • 社会保険料の負担
  • 「控除」の効果と意味 etc.

といった対象の理解からは遠ざかります。

「年末調整計算シート」はそうした理解を補ってくれる
という効果が期待できます。

年末調整の「ベースキャンプ」ともいえる書類は、

  • 「源泉徴収簿」

と表現できます。
 (年末調整で遭難 ベースキャンプは源泉徴収簿)

源泉徴収簿をざっくり分けると、

  • 左側:給料、社会保険料、源泉所得税など
  • 右側:年末調整

といったデータの計算シートと理解できます。

左側のデータは給与明細書で確認している対象です。

右側の年末調整欄は一般になじみのない印象です。

税理士や会社の担当者以外立入禁止の印象かもしれません(笑)。

「年末調整計算シート」のダウンロード版(Excel)を利用すると、
処理の見通しはずっと良くなります。

たとえば、源泉徴収と年末調整の計算のとのつながりも
「源泉徴収簿」シートでとらえることができます。

年末調整の仕組みを理解する上で、「年末調整計算シート」を利用する
という選択はおすすめです。

年調シート デジタル化での限界と効率化!?

「年末調整計算シート」には仕組みを見通せるメリットがある一方で、
無視できない限界があります。

Excelを使って、データを入力する処理は一見「デジタル」です。

とはいえ、そうしたデータの利用はアナログの置き換えといった

  • Digitization(デジタイゼイション)

という限界があります。

年末調整の処理全体を効率化する・できる仕組みではありません。

年末調整全体の効率化には、

  • 会社などの給与支払者
  • 従業員・スタッフといった給与所得者

を含めた「Digitalization(デジタライゼイション)」が必要になります。
 (ウェブの表は打たずにコピーする)

「年末調整計算シート」はそうした効率化のための限界や条件を知る
といったきっかけにもなります。

 

蛇足
「年末調整」や「確定申告」も季語になるかもしれません。
風情はありませんが(笑)。

 

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