行政サービスのオンライン限定は塩対応か? 「年末調整のしかた」も電子化限定へ 

厳しい対応をされる意味の「塩対応」という表現は
浸透率が高い印象です(笑)。

オンライン限定 確定申告の逆転

税理士として活動しているからといっても、
必ずしも全体がみえていないことがあります。

たとえば、確定申告。

手続きを紙の書類で進めるか、電子申告(e-Tax)で進めるか
という選択肢があります。

私が関わっている確定申告では電子申告が圧倒的という印象ですが、
確定申告の相談会場では正反対の印象を受けます(笑)。

印象だけで偏見をもたないようにするには、
全体がわかる統計が欠かせません。

国税庁より令和3年度分の確定申告の状況が報告されました。

注目すべき点では、

  • 電子申告 > 紙での申告

とこれまでとは異なる状況が確認されたことです。

マイナンバーカードの普及やスマホでの申告が可能になり、
今後もこの傾向は続きそうです。

オンライン限定 マニュアルのオンライン限定化

電子申告だけをとりあげて行政のオンライン化をとらえると、
オンライン化全体をとらえ損ないます。

令和4年分の処理でもオンライン化の動きは始まっています。

年末調整は秋から冬にかけてのイベントですが、
着々とオンライン化の動きが強まっています。

その一つが「年末調整のしかた」のオンライン化です。

これまで国税庁より冊子で配布されていたマニュアルが
今後はオンラインでの対応に限定されます。

劇的な変化というわけではありませんが、
後戻りしない当局の姿勢が示されています。

オンライン限定 スマホよりパソコン

「年末調整のしかた」の提供がオンライン・ウェブ限定とはいえ、
提供は令和3年分でも行われています。

令和4年分も同じように提供されることが予想できます。

見方を変えると、これからの準備の参考になります。

確定申告の電子申告では給与所得者の還付申告などでは
スマホを利用して手続きが可能です。

その一方で、年末調整を進める事業者側に立ってみると、
スマホでは対応しきれません。

パソコンでの対応が現実的です。

さらにウェブ上のマニュアルをみながら処理をするのであれば、
デュアルディスプレイの利用が有効になります。

仕事の環境がオンライン・ウェブへと移っていくと、
ペーパーレス化やキャッシュレス化と相性が良くなります。

「年末調整のしかた」などの電子化だけに対応するよりも、
仕事の環境をシフトするきっかけと考えるとスッキリします。

行政サービスのオンライン化限定は塩対応ではなく、
とり方次第では効率化のきっかけになります。

 

蛇足
2022年(令和4年)6月は今のところ空梅雨です。
北陸(石川県)でも連日30℃を超えています。
年末調整は涼しくなってから考えたい問題ですが、
そうなると出遅れるでしょうね(笑)。

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