どんぶり勘定で誤解する納税額とは?
直感に頼らない経理処理がおすすめ
「どんぶり」のことばだけをみると、ほんわかします。
税金が絡んでくると眉間にシワが寄るかもしれません(笑)。
どんぶり勘定解消 効率化と心配事の最適解?
経営を続けるために業務の効率化や心配事を減らしたい
という欲求は常にあります。
とりわけ、お金が絡んだ効率的かつ心配事の回避策は
魅力が感じられます。
「どんぶり勘定」が廃れない理由と言えます。
支払いの請求を済ませておけば、事業継続の最低要件はクリアできます。
一つの取引で収入と経費、立替金が混在している場合には、
精算を優先したどんぶり勘定が都合よくおもえます。
錯覚です。
どんぶり勘定の放置は、
- 経営の実態が不明瞭になり
- 後日のお金のトラブルにつながる
と皮肉な結果につながります。
どんぶり勘定解消 楽してこじれるインボイス
2023年(令和5年)10月から消費税インボイス制度が始まりました。
取引の都合上、免税事業者から課税事業者にシフトした事業者も多いはずです。
税負担の緩和措置として時限的に「2割特例」の選択肢が設けられ、
その後も売上高5000万円以下であれば「簡易課税」が利用できます。
「本則(原則)課税」であれば取引先の「インボイス登録番号」の確認や
「課税区分」の取り扱いで事務負担が増します。
「2割特例」や「簡易課税」を利用できる消費税の課税事業者であれば、
売上高を基準に消費税の納税額が算出できます。
本則課税に比べて納税額だけでなく、事務負担も抑えられます。
反面、取引での売上の記録が所得税や法人税だけでなく、
消費税でも重要性が上がると言うこともできます。
取引での精算を優先したどんぶり勘定とは相性がよくありません。
帳簿上はどんぶり勘定ではなく、売上や経費を適正に計上していても、
- お金の入出金にばかり注目していると消費税の納税負担はわかりにくい
といった問題があります。
所得税や法人税の負担額は、
- 納税額=(収入-経費)✕税率、と表現でき、
- (収入-経費)が入出金と直感的にむすびつく
といった特徴があります。
どんぶり勘定と税負担が直感的につながる印象です。
消費税の納税額は、
- 本則課税:(受け取った消費税)-(支払った消費税)
- 2割特例・簡易課税:売上高を基準に算出
と所得税・法人税とは異なります。
税負担額の算出過程が異なる一方で、帳簿作成の経理処理では、
所得税・法人税と消費税は並行します。
経営者は直感的な税目と非・直感的な税目を同時に扱うことになります。
どんぶり勘定解消 適正性が効率よく負担を回避
経理処理は事後的に税務申告のために仕方なく行う
といったマイナスイメージがあります。
錯覚でもあり誤解です。
会計ソフトを利用して、適正な帳簿を作成する経理処理を行えば、
税負担の早期の想定が可能です。
経理処理をマイナスイメージでとらえて先送りしていると、
準備できるはずだった時間をロスします。
また、納税を含めた資金繰りをとらえる機会も見逃します。
どんぶり勘定を解消していくことで得られる効果は
効率性でも心配事の回避でもプラスの効果が期待できます。
蛇足
2023年(令和5年)は食費を含めた物価が上昇しています。
それでも茶碗一杯分(炊飯前50g)に換算するとお米は安いですね。
どんぶりで食事をする機会がほとんどないことが残念です(笑)。
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