「2割特例」での消費税の確定申告とは?
免税事業者のための公式ガイド
「確定申告の手引き」は「冬物」の印象あるかもしれません。
何にでも例外はあるものです。
2割特例手引き 公式化デビュー!
2023年(令和5年)10月1日より消費税インボイス制度が始まります。
課税事業者、とくに本則課税で対応する事業者にとっては、
免税事業者の対応が気がかりとなります。
- 納税額=(受け取った消費税)-(支払った消費税)
免税事業者に対しての「支払った消費税」は差し引けません。
免税事業者の課税事業者化、インボイス対応に期待するわけです。
一方、免税事業者がインボイス登録をすると課税事業者となり、
消費税の納税が必要となります。
課税事業者には、「本則課税」又は「簡易課税」での税額算出ですが、
- 免税事業者には「2割特例」
といった時限的な負担軽減の仕組みが新設されています。
令和5年度分の確定申告への対応を先取りすることになる手引きが
国税庁より公表されました。
(「国税庁 2割特例 手引き」で検索)
政府公認の「2割特例」公式ガイドといえます。
2割特例手引き 簡潔さと誤解
「確定申告」・「手引き」といったことばが並ぶと「所得税」が
連想されがちです。
消費税についても毎年手引きは作成されています。
これまでの手引きはA4で数十ページのボリュームと、
ちょっと強面の印象です(笑)。
「2割特例」の手引きは、たったの8ページです。
手引きの内容は以下の通りです。
- 2割特例とは?
- 納税額の概算
- 2割特例利用の留意点
- 消費税の基礎知識
- 申告書作成の流れ
既にインボイス登録を済ませて課税事業者になった場合でも、
今後のインボイス対応の検討にも参考になります。
1ページ目に納税額の概算の計算が掲載されている点からも
免税事業者への不安に対応した制度といえます。
- 納税額=売上✕10/110✕2割
=売上✕0.018
=売上の1.8%<売上の2%
シンプルで税負担を軽減する「2割特例」の仕組みが強調されています。
とはいえ、手引きを読む際には注意が必要です。
たとえば、申告書作成の流れ。
下記は手引きの一部です。
全然シンプルじゃない!、という印象です(笑)。
申告書という様式や手引きの都合上、上記のような解説の必要性はあります。
とはいえ、現実には「確定申告書等作成コーナー」の利用により
現実の申告書作成は売上の入力を中心にまとめられています。
2割特例手引き ついでに予習!?
「2割特例」の手引きはインボイス対応で課税事業者となり、
納税が必要になった事業者に参考になります。
納税額や申告書作成の参考書としても有効な手引きですが、
将来の「予習」にも役立ちます。
手引きの「留意点」が将来の予習と関連します。
「2割特例」は免税事業者に対して期間限定の措置です。
また、免税事業者がインボイス登録したからといって必然的に選択
というわけでもありません。
「留意点」では、「簡易課税」や「本則課税」での対応に言及されています。
「2割特例」や「簡易課税」が必ずしも税負担軽減のベストの選択肢
とは言えないことにも言及されています。
「2割特例」を有利な選択肢として利用することと同時に、
検討対象となる仕組みを知っておくと「予習」になります。
蛇足
アイキャッチ画像は早朝に見かけたアサガオです。
9月になっても続いている猛暑でも依然咲き誇っていました。
見た目以上に丈夫な花ですね。
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