調停に必要な書類とローカルルールとは?
良くも悪くも調停は遺産分割解決手段の一つです。
手段としての手続きを知っておくことで、
かえって不安が少なくなることもあります。
ローカルルール 四角四面のはず…?
「役所」・「書類」といったことばが並ぶと、
- 画一的
- 融通が効かない
といった対応が予想されます。
たとえば、確定申告。
事業所得であれば、帳簿を作成した上で、
- 決算書
- 申告書
といった既成の書類が準備されています。
「本年中における特殊事情」で情報を補うことがあっても、
様式が固定されている安定感があります。
(確定申告の決算書でコミュニケーション!?)
私が石川県で活動している税理士だからといっても、
これといった地方色はみられません。
一方、お堅い役所でありながらローカルルールがある
といったこともあります。
たとえば、家庭裁判所での遺産分割調停。
ローカルルール 共通と個別の確認
遺産分割は相続人間での協議により折り合いが付けば成立します。
反面、協議で折り合いがつかなかったときに膠着状態となります。
困ったことに相続税には相続開始から10か月で申告・納税
という期限があります。
遺産分割協議の停滞は相続人全体の不利益となります。
(相続税の申告期限に間に合わない!)
相続人が家庭裁判所へ「調停」を申し立てることで、
停滞からの脱却を図ることも出来ます。
調停の申し立てには裁判所に提出する書類があります。
(「裁判所 遺産分割調停」で検索)
まず、戸籍等の書類です。
自治体の役所で集めることになります。
次に申立人が作成する書類があります。
相続税の申告書で必要とされる「評価」は要求されていないので、
漏れなく記載することで準備できます。
上記の全国共通の必要書類に加えて、
- 各地の裁判所ごとに必要とされる書類
があることに留意する必要があります。
「裁判所」サイトでは、「各地の裁判所」で確認できます。
たとえば、下記は金沢家庭裁判所での遺産分割調停の申し立てに必要な書類です。
書類の不備は調停のスタートをつまずかせることになるので、
ローカルルールの確認も必要となります。
ローカルルール 調停も選択肢の一つ
調停の申し立て後は家庭裁判所からの確認や通知があり、
調停の開始へと進んでいきます。
分割協議の停滞を放置し続けることができない以上、
調停は選択肢の一つとして有効です。
とはいえ、調停の開始以降は調停への出席が必要ともなり、
負担を抱えることにもなります。
相続開始以前、生前からの相続対策が将来の不安を減じる
ということも選択肢の一つです。
不安や負担の少ない選択をおすすめします。
蛇足
アイキャッチ画像はゼリー「水瑞果」です。
「屋久島縄文水」という軟水を使用しているそうです。
2023年(令和5年)は猛暑続きなので、ゼリーがよく合います。
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