相続対策を申告書からアプローチしてみる!
逆算からの発想はビジネススキルの定番です。
仕事のスキルを生活に持ち込んでみると、
グッと見通しが良くなるかもしれません。
相続税申告書 わかっているけど不安?
税理士として小学校や中学校の「租税教室」に登壇しています。
「国民の義務」は生徒への定番の質問です。
- 勤労
- 納税
- 教育を受けさせる
上記の解答はどこの教室でもサクサク返ってきます。
大人であればカンタンな質問です(よね?)(笑)。
その一方で、「納税」にはが不安がつきまといます。
負担金額の不安もさることながら、
- 書類の作成
- 必要なデータや資料
- 計算方法
- 提出方法
- 提出期限 etc.
所得税・法人税・消費税・相続税といったメジャーな税目は
いずれも申告・納税制度がとられています。
どの税目も税理士に丸投げすることもできますが、
今度は費用(報酬・料金)の不安があるかもしれません。
経営者であれば税理士への依頼には免疫があります。
一方、申告納税制度に不慣れな方にとっては
着地点がみえない状況がさらに不安材料となります。
税負担や費用面からではなく、
- ザックリでも申告書の中身を知っておく
といったアプローチは相続対策としても有効です。
相続税申告書 ザックリつながりを理解
相続税の申告書は1枚で完結、ではありません。
残念ながら第1表から第15表まであります。
さらに「第〇の□」・「付表」があったりします(笑)。
(「相続税 申告書」で検索)
とはいえ、全ての様式を作成しなければならないのではなく、
- 必須の申告書(第1表・第2表・第11表・第15表など)
- 該当する場合
とメリハリがつけられます。
また、申告書は第1表から作成しません。
一般には第9表から外堀を埋めて段階的に作成します。
下記の第13表以降も定番の作成対象です。
上記で示した申告書は税負担額を算出するための前段階である
「課税価格」の計算の根拠となります。
「相続税額」の計算には第1表~第8表が必要です。
「課税価格」→「相続税額」の順で処理を進めます。
申告書の構成や役割がザックリでもみえてくると、
相続対策の見える化につながります。
たとえば、第15表。
相続財産の種類別価格表という一覧性のある申告書です。
「種類」や「細目」は相続対策の検討・チェック対象ともいえます。
数字(金額・評価)は二の次・棚上げして申告書を眺めると、
相続対策の見通しが良くなりそうです。
相続税申告書 不安の見える化
相続では遺産分割や税負担、取得した財産の処分と
検討事項が多々あり、長丁場が想定されます。
相続税の申告期限は相続開始から10か月であり、
一見時間があるように思えます。
ただし、10か月が期待通りの余裕となるかと言えば
断言できない現実があります。
(相続税の申告・納税に時間的余裕はあるのか?)
相続税の申告のゴールとして申告書があります。
ザックリでも申告書の構成やつながりを知っていると、
生前からの対策の見通しがつけやすくなります。
申告書を眺めてみると、不安の見える化につながります。
蛇足
相続税の「第〇表」や「控用」といった申告書の様式には
紙書類の暗黙の前提があります。
処理の細分化としてはわかりやすい面もありますが、
分量をみると凹みますね(笑)。
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