確定申告の手引きの上手な使い方とは?
インプットとアウトプットを分ける!
前年度分の使い方
「手引き」は「マニュアル」・「ガイドブック」です。
「確定申告の手引き」は「公式ガイドブック」なので、
上手に利用したい対象です。
手引きを上手に 残念な質問の共通点
所得税の確定申告といえば、
- 事業をしていなくとも関わるオープン参加(?)の
- 年1回にして最大の
税金のイベントです。
12月を目前にすると、税理士会や商工会などから、
「申告相談会」日程調整のお知らせが届きます。
私も市役所や商工会での相談会に参加する予定です。
例年ですが、定番の質問・相談があります。
十把一絡げというとらえ方はよくないのですが、
毎年「残念な質問」があります。
共通点の一つに、
- 「確定申告の手引き」をご参照ください
とお伝えしたいケースがあります。
「確定申告の手引き」は毎年国税庁が発行しています。
手引きを上手に インプットとアウトプットを分離する!
国税庁の作ったマニュアルなんてわかりにくいんじゃない!?
という印象が先立ちそうですが、誤解です。
大半の納税者に対応できる内容が順序立てて示されています。
たとえば、重要な項目なのに見過ごしされがちな、
- 確定申告が必要な方
- 年金所得者に係る確定申告不要制度について
- 確定申告をすれば税金が還付される方
といった「そもそも」の内容も「手引き」の序盤に示されています。
「手引き」の利用はおすすめですが、留意点もあります。
アウトプット、申告書の作成です。
「手引き」の解説は、
- 手引きに下書きしつつ、
- 手計算と手書きで
- 紙の申告書を作成する
という編集スタイルです。
私は上記のスタイルでの申告書作成をしていません。
ウェブ上で「確定申告書等作成コーナー」を利用して申告書を作成します。
手計算によるミスや手書きによる書き損じを防ぐだけでなく、
電子申告にも対応するためです。
「手引き」は知識や理解のインプットの役割にとどめ、
「作成コーナー」でアウトプットといった役割分担が有効です。
手引きを上手に 前年度分でも年内から利用!
「確定申告の手引き」の有効な利用は年明けの確定申告期
といった2月~3月にとどまりません。
年内からも有効です。
2022年(令和4年)11月末に利用できる手引きは「令和3年分」です。
令和4年分には更新されていません。
「確定申告書等作成コーナー」も同様です。
とはいえ、所得税の確定申告の仕組みや流れを知ることは可能です。
確定申告の仕組みや流れがわかっていれば、
- 年内から書類やお金の準備ができるだけでなく、
- 年明け以降の時間のロスを小さくできる
といったメリットがあります。
確定申告期のリアル会場で申告を完了する選択もありますが、
- 前年分の税金の処理を2か月以上先延ばしする
といった負担を抱え続けることになります。
とりあえず、
- ウェブで「国税庁 確定申告 手引き」で検索して、
- 前年度分の「手引き」を流し読みして、
- 「確定申告書等作成コーナー」にアクセスしてみる
といったことがおすすめです。
「残念な質問」や余分な負担を解決できるかもしれません。
蛇足
マニュアルという意味での「手引き」の用法は廃れつつある
といった印象があります。
「字引き」となると、そのことばを「辞典」で調べる対象になる
かもしれません(笑)。
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