不動産の調査や確認は相続開始前から!
がおすすめな理由
ストレートな理由の相続対策だけが効果的とは限りません。
怪我の功名も対策になります。
不動産確認 50年間塩漬け?
10年ほど前のことです。
実家の町内の方から我が家にクレームがありました。
クレーム内容は、
- 「うちの畑のとなりの林さんの畑をちゃんと管理して!」
というものでした。
我が家での反応は、
- 「…???、畑?、どこに?」
という当事者意識ゼロといったものでした。
当初、自分が所有している土地と認識が無かったわけです。
しかし、父の年長の姉(私の伯母)に尋ねたところ、
確かに私の祖父が生前所有していた土地と指摘されました。
狭小で人目につきにくい土地だったということもあり、
50年間無視され続けたわけです(笑)。
不動産確認 ワシの物!?
自分が所有している物に疑問をもたない背景には、
経済的な責任を果たしているという根拠があります。
不動産では、固定資産税。
高額な土地といった注意を要する対象を別にすると、
税負担額よりも納税漏れに留意することが一般的です。
固定資産税は所得税のような申告納税方式ではなく、
「賦課方式」なので納税者からの関わりが希薄です。
さらに、固定資産税という納税義務を達成することで、
それ以上の管理や認識につながりにくくなります。
とはいえ、そうした認識が制度上のズレにつながることもあります。
相続の開始です。
被相続人の不動産を「名寄帳」で調べてみると、
- 被相続人以外の登記の不動産
といった存在が明らかになるケースがあります。
相続人にとっては「寝耳に水」ともなりえます。
不動産確認 調査・確認>評価
上記の被相続人の未登記の不動産の問題では、
- 被相続人も未登記の認識が無かった
という可能性があります。
「不動産 相続」ということばが並ぶと、
- 遺産分割
- 争族問題
- 節税対策
を連想しがちです。
上記は相続をめぐる問題のなかで注目されやすい課題です。
相続税の不動産の取り扱いでは、土地の評価額が注目されます。
その一方で、不動産と相続と関連している
- 不動産の現況の確認
といった事項は初歩的なためか、関心は低いかもしれません。
相続をめぐる課題の解決は「相続開始」という性格もあり、
家族でも真正面から取り組みにくい性格があります。
不動産の調査や確認という事実上の相続対策は、
「相続開始」前からのアプローチとして有効です。
■参考
2024年(令和6年)4月1日からは登記の義務化が開始されます。
蛇足
塩漬けにされていた土地の後日談。
ほったらかしにもできず私が草刈りへ。
畑のはずが鎌と草刈り機だけでは足りず、
雑木の片付けでノコギリも投入。
50年間のツケは甘くありませんでした(笑)。
現在は年1回の草刈りで対応できています。
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