確定申告は毎年同じか!? 

自分で罠にはまってしまうかもしれません。


真冬感でいっぱいの光景(手前は水田)

確定申告は毎年同じか!? これで間違いないかな?

確定申告期です。

私も税理士会経由で確定申告の相談業務に参加しています。
電話相談や役所の確定申告相談コーナーで応対しています。

こうした相談業務は、会計事務所勤務時には未経験でした。
(税理士登録していなかったためです)

電話相談でも、リアルでの相談コーナーでも、
朝一番の相談者の熱量の大きさは予想以上でした(笑)。

年金生活者や小規模事業者の方からの問い合わせが多く、
その会話のなかでよく耳にするフレーズが、
「これで間違いないかな?、毎年同じやから」です。

確定申告を早く済ませたいという気持ちと、
間違いを申告したくないという不安がそうした台詞の裏側にあります。

確定申告は毎年同じか!? 何が同じか、何が変わるか

不安になる原因は、意外かもしれませんがことば遣いです。

「毎年同じ」という表現を申告される方が使い続けると、
・何が同じか
・どのように同じか
といった対象が曖昧になります。

こうした自問自答にはっきり答えられないので、不安がつきまといます。

結論を言ってしまうと、「毎年同じ」の対象は処理のパターンです。

事業をされている方ならば、確定申告の処理は、
事業の決算 → 所得税の申告、です。

年金生活者の方で医療費控除を申告するなら、
年金の受給 → 医療費控除 + その他の控除 → 還付、です。

現在の所得税制度が根本的に変わらない限り、
確定申告の処理のパターンは、「毎年同じ」です。

その一方で、具体的な処理では毎年何らかの違いがあります。
・所得控除の種類
・所得控除の金額
・税率
・確定申告書の様式

相談業務では、令和2年分の申告を令和元年分での手引で処理されていた方との間で
話がかみ合わないことが何度かありました。
(実家の親とその親の確定申告 令和2年分年金生活者あるある)

確定申告の処理のパターンは同じ、中身は毎年違いがある、
といった考え方がミスや誤解を避けられます。

確定申告は毎年同じか!? 負担からの卒業の時期

処理のパターンは同じで、中身が違う。
思い浮ぶのは、
・公式
・表計算ソフトの関数
といった機械的な処理をさせることです。

処理のパターンを踏まえて、必要な入力のみ済ませれば、
ミスや不安のない成果が得られます。

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」の利用をすすめるのは、
そうしたミスや不安の払拭のためです。

税理士には、電卓片手に申告書を書いている印象もあるかもしれません。
(昭和の時代なら、事務用腕カバーのスタイル(笑))

現実の応対では、申告者の処理のパターンの誤解や抜けのサポートが中心です。

制度が複雑になる状況では、
・処理を円滑にすすめるためのサポートと
・機械的に計算や出力をする役割とを
分けることで、ミスや不安や負担が減ります。

手書きや手計算と卒業していくことも、そうした役割分担の一環です。

 

蛇足
脱税や給付金詐欺の報道の一方で、80代でも自力で確定申告をされている方もいらっしゃいます。
落差を感じます。

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