税理士の交代は引っ越しと似ている!?
資料の確認とヒアリングで不安を除いていく!
知らない土地に引っ越すと期待と不安が交錯します。
経営者にも事業経営で関与する税理士にも当てはまる心境です。
引っ越したときに快適に過ごすための知見が役立ちます。
交代と引っ越し 期待と不安が交錯
生活の都合上、これまで引っ越しの経験があります。
新しい土地での生活に期待しつつも不安が交錯することは
当然かもしれません。
税理士業を開始してからは引っ越しはしていませんが、
引っ越しに似た場面には遭遇しています。
税理士の顧問対応での新規開始や税理士交代です。
引っ越しをした直後はスーパーやコンビニなどのお店も
役所や道路交通状況もわかりません。
自分で現場を見て回って確認する機会が必要になります。
税理士の事業経営への関与でも同じことが当てはまります。
交代と引っ越し 新規関与で何を確認するか?
決算・税務申告の対応というと軽い業務の印象はありません。
では、新規関与開始や税理士交代の税理士にとっての負担は?
というとわかりにくいかもしれません。
引っ越しをした直後に似ています。
知らない土地で戸惑う場面が多い状況です。
引っ越した場合には現場を見て回って確認しますが、
税理士業であれば資料の確認が該当します。
■確認する資料
- 会計関連
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過去1〜2期分の総勘定元帳
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試算表(期中分)
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決算書一式(貸借対照表、損益計算書、勘定科目内訳明細書など)
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仕訳帳または会計ソフトのデータ(バックアップファイル)
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現預金の通帳コピー(全ページ)
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- 税務関連
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過去1〜2期分の法人税申告書・消費税申告書・地方税申告書
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税務署・県税事務所・市町村への各種届出書の控え
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税務調査の記録(あれば)
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- その他
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固定資産台帳
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取引先の主要契約書(売上先・仕入先)
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借入金契約書
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社会保険・労働保険関連資料
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引っ越し直後の慌ただしさに通じる確認の分量です(笑)。
交代と引っ越し ヒアリングに応えられますか?
税理士業は資料やデータだけを確認すれば問題無し
とは言えません。
お客様へのヒアリングも関与にあたって欠かせません。
現状と将来に向けての確認を中心にヒアリングをします。
■ヒアリング内容
- 会社の基本情報
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会社の沿革や事業内容(設立の経緯、主な取引内容)
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役員・株主構成(出資比率、役員報酬額)
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事業所の所在地や支店の有無
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- 会計・記帳の状況
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会計ソフトの種類(弥生会計、freee、マネーフォワードなど)
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記帳作業は社内か、外部に委託(記帳代行)しているか
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帳簿の更新頻度(リアルタイム/月1回/決算時のみ等)
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現金管理の方法(現金出納帳を付けているか)
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請求書・領収書の保管方法(紙/PDF/クラウド)
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- 税務申告の状況
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消費税の課税方式(本則課税/簡易課税/免税)
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過去に税務調査があったか、その結果どうだったか
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- 資金繰り・財務状況
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借入金の有無・残高・返済条件
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補助金・助成金の利用履歴
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売掛金・買掛金の回収・支払サイクル
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運転資金の不足や資金繰りの悩み
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- 人事・労務
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従業員数(正社員・パート・役員)
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社会保険や労働保険の加入状況
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給与計算の担当者(社内/外注)
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家族への給与支払いの有無
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- 今後の見通しとその他の要望
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直近1〜2年の売上や利益の見込み
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新規事業や設備投資の予定
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税務以外でサポートを求めたい分野(資金調達、経営分析など)
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顧問税理士に求めること
-
ヒアリングは引っ越した先での過去の自然災害の発生や
避難場所を確認することに似ています。
税理士業での新規関与や税理士の交代には期待もありますが、
経営者にも税理士にも不安がともないます。
資料やヒアリングを通じて不安を除いていくことが必要になります。
引っ越し先での快適さと安全に過ごすためにはそれなりの準備が必要です。
蛇足
アイキャッチ画像は事務所前に咲いていた「テッポウユリ」です。
植木の間から数本が伸びて花を咲かせていました。
真夏でも涼し気な印象の花ですね。
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■林友範税理士事務所
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