年末調整の準備は春から始める!?
システム機能要件を確認!
「年末調整」は見たくない四字熟語かもしれません。
処理する当事者にとっては冬だけで十分の印象です(笑)。
他方、負担軽減を図るなら春からの検討も選択肢です。

移ろいでいく春
年末調整春から 準備は秋?、冬?
勤務していた頃、年末調整に悪い印象はありませんでした。
毎月の給与からの源泉徴収された所得税が戻ってくる
といった期待をして必要書類を準備するのみでした。
印象が変わったきっかけは税務会計業界に転じた後。
通常の税務会計業務に加えて年末調整が加わることで
年末の業務やスケジュール管理が負担となります。
立場が変わると、年末調整は冬からではなく秋から始める!
と言いたくもなります。
私がせっかちなだけとは言えません。
もっとせっかち、春から年末調整の準備を始めている組織もあります。
年末調整春から システム機能要件から確認
私は石川県に住んでおり、ときどき県庁のサイトを確認しています。
先日、下記の年末調整に関連した公募が告知されていました。
2025年(令和7年)10月から利用する年末調整システムの調達に
関連した告知でした。
対象者が4,000人の組織での年末調整では効率化は無視できません。
適切かつ効率的に運用できるシステムの調達が必要となります。
募集要領が示されており、提供事業者(ベンダー)には要確認の対象です。
ベンダー以外の事業者であっても「システム機能要件確認表」は
年末調整の効率化を検討する上で参考になります。
業務区分・利用者区分・機能要件が表で確認できます。
業務区分を「年末調整」・利用者区分を「申告者」にして絞り込むと
下記の要件などがみられます。
利用者区分を給与担当者に変更すると確認する要件も変わります。
県庁で要求している仕様が年末調整のシステムとして必須ではありませんが、
効率化を検討する上で参考になります。
年末調整春から 準備が早すぎることはない!
「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の文言を見かけなくなりました。
大方の予想どおりとも言えます(笑)。
他方、ITを利用した効率化が達成されたわけでもなく、
不要になったわけでもありません。
DXの表記の使用とは関係なく、ITでの効率化は続いています。
年末調整は税務会計を通年でとらえた際のボトルネックになりがちです。
年末調整の担当者だけでなく、組織ぐるみでの効率化が必要となります。
業務の改善・効率化には時間がかかります。
効率化のために期待する機能の要件を業務や利用者ごとに分けて
システムを検討・準備する必要があります。
年末調整の準備を春から始めることが早すぎるわけではありません。
蛇足
アイキャッチ画像は近所の公園で撮影した写真です。
ソメイヨシノの散り始めと草が伸び始める時期が重なりました。
あっという間にゴールデンウィーク、初夏になりますね。
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