決算・所得税・消費税の処理の順序とは?
消費税を所得税より前に進める合理的な理由とは?
確定申告や決算・申告と簡潔に表現できる対象でも、
いざ取り組もうとするとスタートから悩みます。
ゴールから逆算は効率的な仕事の進め方ですが、
仕組みの理解もセットで把握がおすすめです。
処理の順番 決算→申告のはず…
事業をしていれば避けられないのは決算と申告です。
税金の納税負担も悩ましい問題ですが、申告に至る過程も
気の重い処理となります。
基本的に処理の過程は、
- 会計帳簿の作成(会計ソフトの入力)
- 決算書の作成
- 申告書の作成
と会計(決算)→税金(申告)の順番です。
ちょっと立ち止まってしまうのは、所得税と消費税の順番です。
どちらを先にすべきか?
処理の順番 消費税を先行させる理由
決算の処理が済むと、損益計算書の売上や経費だけでなく、
貸借対照表の資産・負債も確定します。
所得税の計算は、
- 売上-経費=利益≒所得
- (所得-所得控除)✕税率=所得税
と決算→申告のつながりがわかりやすい対象です。
消費税は損益計算とは別の仕組みの税金です。
本則課税ではれば、
- (受け取った消費税)-(支払った消費税)=納税額
簡易課税や2割特例であれば、
- 売上✕(1-みなし仕入率)✕10%≒納税額
問題は所得税と消費税の処理の順番です。
一見するとわかりにくいのですが、消費税を先に処理します。
簡易課税や2割特例で税込経理をしている場合であれば、
納税予定額を経費に計上できます。
売上と事業内容や規模で消費税額は算出できます。
決算処理を一旦済ませて、消費税の税額を計算した後で、
下記の仕訳を追加します。
- (借方)租税公課 (貸方)未払消費税等 納税予定額
納税予定分の租税公課が経費に加わることで利益が小さくなり、
結果的に所得税の負担が小さくなります。
納税時点、翌年分に租税公課を経費計上しても総額は一緒ですが、
直近の処理に反映させることができます。
処理の順番 最後に貸借対照表を確認
決算処理が確定すると損益計算書とにらめっこする、
詳細を分析、確認する過程があります。
経営の振り返りとして重要です。
他方、貸借対照表は脇に追いやられがちになります。
損益や所得と直接関連しないため、オマケ扱いかもしれません。
反面、翌年以降の経営につながるのは貸借対照表です。
消費税の納税予定額を仕訳に追加すれば、流動負債に計上されているはずです。
決算→申告は1年単位での締めの処理ですが、経営は続きます。
決算・申告後の貸借対照表の確認もお忘れなく!
蛇足
2025年(令和7年)の「節分」は「2月2日」でした。
節分は2月3日に固定されているものと思っていたので、
ちょっとした驚きでした。
チョココーティングの豆ではかえって鬼が喜びそうなので、
投げずにいただきました。
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