無形固定資産をほったらかしにしない

曖昧ではいけませんね、資産ですし。

無形固定資産 無形で固定?

これまで資産については、有形固定資産(費用化しての減価償却)や繰延資産を紹介してきました。
(繰延資産 独立開業なら知っておきたい)
抽象的ではあるのですが、有形固定資産も繰延資産も費用化していくという面では着地点が見出しやすいといえます。

有形固定資産のなかでも、土地は使っていても劣化しないという理由から償却はしません。
しかし、土地があるからこそ事業活動が営めるということから資産としての貢献があるといえます。

こうした目に見える資産や収益・費用への貢献が明らかな有形固定資産や繰延資産に比べて、無形固定資産はピンとこない印象です。
「無形」なのに「固定」資産と禅問答のような分類です。
簿記や会計学のテキストをみても、無形固定資産には特許権や鉱業権といったなじみのない勘定科目があげられていたりします。
とはいえ、資産を計上している以上はお金の支出が予想されます。

無形固定資産 正体を分類しておく

無形固定資産は物体としては確認できませんが、契約や法律上のとりきめから事業活動に貢献する資産です。
より具体的には、法律上の権利、契約上の権利、事業再編による「のれん」、「ソフトウェア」があります。

法律上の権利には、特許権や鉱業権があります。
イメージしやすいのですが、一般的ではありません。

「のれん」は企業を買収したときに計上される超過収益力です。
超過収益力は、ざっくり表現すると買収する企業の決算書に基づく以上の価値といえます。

ソフトウェアは、事業活動上必要な資産としてイメージしやすいといえます。

法律上の権利やのれん、ソフトウェアは簿記の学習上頻繁に登場します。
しかし、実務上は契約により計上される無形固定資産が目立ちます。

無形固定資産 ほったらかしにしない

事業活動では契約が多々あります。

無形固定資産では不動産の貸借、営業取引、といった取引での契約が関連します。

不動産の貸借では、「借地権」や「敷金」があります。
営業取引では、「差入保証金」が取引先ごとに発生する可能性があります。

さらに無形固定資産と類似した「投資その他の資産」では、法人による保険契約から「保険積立金」が計上されます。

どれも日々の事業活動ではお金のやりとりと関連しません。
また、借地権や敷金・保証金・積立金は費用としても計上されません。

その一方で、こうした勘定科目も財政状態を表す貸借対照表の資産に計上されています。

決算や銀行借入以外のときには気に留めないかもしれませんが、契約(書)や金額が放置されがちなので確認が必要です。

 

蛇足
取引するために保証金をとっている会社を始めて知ったときに、商売は怖いもんだなーっと思ったことがあります。

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