人の話は黙って聞かない

ボケよりツッコミで。

人の話は黙って聞かない 一次情報に当たるため


「事件は会議室で起きてるんじゃない!、○○で起きてるんだ!」
○○に当てはまることばはなんでしょうか?

答え
「現場!」

21世紀生まれの方にはピンとこないかもしれませんが、定番のフレーズです。
(映画「踊る大捜査線THE MOVIE湾岸署史上最悪の3日間(1998年)」)

刑事捜査であれ、製品事故調査であれ、税務会計サービスであれ机上の空論では仕事は完結しません。
刑事捜査の経験はありませんが、製品事故の調査に関わっていたときには、事故品の現物確認や使用状況、使用場所、使用経過年数、使用者の確認が不可欠でした。
そうした確認無での事故調査報告は、「捏造(ねつぞう・でっちあげ)」となってしまいます。

とはいえ、現場での確認や当事者からの聞き取りの一次情報は、あくまで確かな成果につなげる必要条件にとどまります。
一次情報を成果につなげるための十分条件が必要です。

人の話は黙って聞かない とある酪農家の場合

とある酪農家との面談で、連呼されたフレーズが「うちはガラス張り経営」でした。

「ガラス張り」、つまり売上も費用も十分な疎明資料に基づく適正な経理体制が構築・運用がされているということです。
個人や小規模の事業者では、人材もノウハウも潤沢ではありません。
ガラス張りと豪語できる自信は、相当の裏付けがあるものと期待しました。

が、しかし、そのガラス張りの根拠資料は酪農組合からの月ごとの精算書がメインであり、固定資産台帳やその他の資料は不明や未整理でした。
(会計事務所ではこの手の状態を「ぐちゃぐちゃ」とあっさり表現します)

酪農家の取引先である組合からの精算書が適正でも、当事者の酪農家の経理内容までが適正かは別問題です。
「ガラス張り」というフレーズを鵜呑みにしていると、当事者にとってさえ想定外の結果に至る可能性もあります。

人の話は黙って聞かない 着地点と想像力でツッコミ

現場や当事者の一次情報に当たることは、仕事を進める上で必須です。

しかし、当事者(上記ではとある酪農家)が認識していない情報はそもそも語られることはありません。
認識にズレがある・誤解がある場合は、当事者間で目指す成果が異なる可能性もあります。
こうしたトラブルは「情報の非対称性」から起きるわけです。

一次情報に当たることは必須ですが、黙って聞かない・鵜呑みにしないもセットにしておく必要があります。
言い換えれば、一次情報を活かす十分条件は情報の受け手や聞き手のツッコミにあるといえます。

ツッコミは、取り組む内容や期待する成果の着地点を探りつつ、当事者とのやりとりで不足している点やズレのあるところを想像する必要があります。

対面でもオンラインでも、一次情報を残念な結果にしないツッコミが必要です。

 

蛇足
ガラス張り経営をしていると聞くと、今では「どんなすりガラス?」とツッコミを入れたくなります。
(こころの声ですが)

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