営業の偏り方をサクッと分析する!
SUM・IF関数でABC分析

経理の成果を経営に活かしましょう!、とは言うものの、
どうすりゃいいの?、という問題があります。

Excelの定番関数と手元のデータだけでもABC分析はできます。

営業を分析 営業には偏りがある!?

経理処理の成果は決算書や税務申告書にたどり着きます。

事業所得の確定申告では帳簿から決算書の作成までが完成すると、
経理処理から解放された感覚があるかもしれません。

納税の義務さえ果たしてしまえばOK、と割り切ることもできます。

一方で、せっかくの経理処理の成果を経営に活かしたい!
という気持ちがあるかもしれません。

決算書の3年分の期間比較は定番の分析ですがおすすめです。

売上や経費の変動、推移の状態、傾向といった
経営の分析ができます。

経営分析では会計ソフトを離れて、Excelでデータの加工がおすすめです

Excelの機能を利用することで、自由度が高まります。

「ABC分析」もそうした分析の一つとして利用できます。

営業を分析 SUM・IF関数でABC分析

個人事業であれ法人であれ、業種・業態・事業規模に関係なく、
営業や取引には偏りや特徴がでてきます。

経営者であれば直感的に把握しているはずです。

とはいえ、「直感」が限界だったりします。

データに基づいたカチッとした「評価」の出番があります。

「ABC分析」は営業や取引の偏りを見える化できる手法です。

ExcelのSUM・IF関数を使用するだけなのでハードルは高くありません。

以下では取引先ごとの売上高を上からA・B・Cと「評価」します。

「ABC分析」の手順は以下の通りです。

  1. 取引先と売上高を並べてSUM関数で合計額を算出
  2. 取引先ごとの売上構成比を算出
  3. 売上構成比の累積をSUM関数で算出
  4. IF関数で「評価」を出力

■第1段階 取引先と売上高を並べてSUM関数で合計額を算出

シンプルな入力の処理です。

売上高の大きさ順に入力する必要はありません。

■第2段階 取引先ごとの売上構成比を算出

  • 売上構成比=売上高÷売上合計額

留意点は売上高合計額のセルを「絶対参照」にしておくことです。

以下の図では「C14」を入力後に「C14」をドラックして、
「F4」キーで「絶対参照」にしています。

小数点の表記ではわかりにくいので「セルの書式設定」より「パーセンテージ」、
小数第一位までを表示するように設定します。

■第3段階 売上高構成比の累積をSUM関数で算出

SUM関数を使って構成比の累積を求めていきます。

「累積」なので処理の起点となる「D4」を「絶対参照」にしておきます。

■第4段階 IF関数で「評価」を出力

処理の前に表を「テーブル」化しておきます。

表のセルを選択して、「Ctrl+T」で「テーブル」化できます。

テーブル化した状態で「売上構成比」を「降順」に並び替えます

データを並び替えると以下の通りに順序付けられます。

最後にIF関数で「評価」を出力します。

  • =IF(E25<=80%,"A",IF(E25<=95%,"B","C"))
  • 構成比累積(E列)が80%以下ならA、80%から95%以下がB、残りがC

売上高の80%以上を占める取引先(A)と5%に満たない取引先(C)が明瞭にわかります。

下記は売上構成比累積をシンプルに見える化した図です。

営業を分析 データを準備できますか?

Excelでの「ABC分析」は難解な処理ではありません。

分析対象のデータが揃っていれば、機械的な処理で分析できます。

反面、データに欠落・重複・合算といった未整理の場合、
分析以前の段階での処理に問題をかかえます。

経理処理の成果は決算書・税務申告書に反映されますが、
それだけに限定する必然性はありません。

経営に活かすデータを得ることも想定した経理がおすすめです。

会計ソフトの科目・補助科目の設定を見直す機会も必要です。

ExcelでSUM・IF関数を利用するだけでも「ABC分析」はできます。

営業の成果を「評価」の目線でとらえ直すことになります。

経理の成果は決算書や申告書だけではありません。

 

蛇足
SUM関数はシンプルかつ定番の関数です。
とはいえ、「累積」と「絶対参照」のつながりは見逃しがちです。
「使いこなしている」は過信の産物かもしれません。

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