保険差益の圧縮記帳を図解で理解する!
災害からの設備投資へ!

文献や解説している資料があればなんとかなるはず
と思いたいところです。

現実には資料を見ていてため息をつくかもしれません。

ザックリと図解でイメージをつかんでおくと、
グッと見通しは良くなります。

図解保険差益 解説はあるが…

経理処理や事務処理は定型的な印象が強くあります。

適切な文献や解説の資料さえあればなんとかなるはず
と思われがちです。

思い込みが強いと、かえって失望やいらだちが強まります。

「保険差益」での「圧縮記帳」の解説にも当てはまります。

災害などで固定資産に対する損害により保険金を受け、
新たに設備投資と行った際に圧縮記帳を行います。

受け取った保険金を通常の収入と同じ課税対象とされないよう
適切な処理が必要です。

解説は公開されていますが、とっつきにくい印象です。

ザックリと図解でイメージできるようにしてみます。

「圧縮記帳」の内容は以下の記事を参考にしてください。

図解保険差益 タックスアンサーを確認

国税庁では「タックスアンサー」という税金の一般的な質問に対して
回答を公表しています。

「No.5608 保険金等で取得した固定資産等の圧縮記帳」もその一つです。

処理の概要は以下の通りです。

ちょっと圧迫感があります(笑)。

概要をさらにザックリと以下のようにまとめてみます。

  • 災害で会社の設備に損害を受けて保険金を受け取って、
  • 損害を受けた設備を保険金で新たに購入した場合、
  • 限度内で圧縮記帳ができます

受け取った保険金が通常の収入と同様に課税所得となっては、
会社にとって泣きっ面に蜂です。

保険金の内、「限度内」で圧縮記帳による課税を対策が必要です。

問題は「限度内」です。

以下はタックスアンサーで示されている計算式です。

今度はため息がでそうです(笑)。

図解でイメージできるようにしてみます。

図解保険差益 図解でイメージ

タックスアンサーの計算式の図解は以下の通りです。

保険差益と圧縮限度額の対応が焦点となります。

計算式、とくに保険金と新・固定資産の取得に注目して、図解と対応させてみます。

計算式を翻訳します。

  • 保険金で新・固定資産を取得した価格の内、
  • 保険金と対応した取得価格分の保険差益額が、
  • 保険金を受け取ったときの圧縮限度額となる

タックスアンサーでの具体例を図解に反映させます。

お疲れ様でした(笑)。

図解保険差益 会計・簿記の理解のご利益

「圧縮記帳」は取引相手とのストレートな税務会計の処理ではありません。

帳簿や申告書でのテクニカルな処理による課税対策です。

日常的・直感的なとらえ方は難しいかもしれません。

とはいえ、減価償却の処理や課税の繰り延べがわかっていれば、
保険差益と圧縮記帳の処理も見通しが良くなります。

詳細な処理よりも図解での理解を優先することがおすすめです。

会計・簿記の理解がストレートに災害対応には結びつきませんが、
事業の継続につながることになります。

 

蛇足
圧縮記帳は課税の問題を会計・簿記の処理でも扱います。
会計・簿記と税務申告との違いを理解していないと、
処理の内容や目的のピントが合わないかもしれません。
当ブログの過去記事を参考にしていただければ幸いです。
 (「大人の教養簿記」で検索 2023.12..29-2024.1.3全6回)

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