架空経費が割に合わない理由とは?
直感的にわかるはず!
IT・DX・AIと技術はどんどん進んでいます。
一方で、お金の残念なトラブルは大半が古典的です。
理屈・理論は大切ですが、直感的にはわかった!
という実感も必要です。
経費と直感 最新の報告で古典に出会う
地味な印象の税務会計業界ですが、着実に技術上の進展があります。
- OCRとAIによるデータ入力の効率化
- クラウド会計の利用
- RPAの利用
「暗号資産」といった取引が課税と関連することで税務対応も複雑化しています。
一方で、古典的な手法が依然として根強い面もみられます。
たとえば、架空の経費の計上。
国税庁公表の「査察の概要」でも指摘されている事項です。
(真っ当な納税者が「査察の概要」を読む意義とは?)
架空の経費の計上は脱税につきものの印象です。
他方、どうして割に合わないのか?、といった点が腹落ちしていない、
わかっていない印象があります。
経費と直感 直感的にわかるはず!
まず、経費とは何か?、という問いには、
- 事業の収入に対応した費用
とザックリまとめられます。
図解すると以下の通りです。
収入の獲得とつながっていない費用は経費にはなりません。
次に、なぜ経費の計上が重要となるのか?、という問いも
確認しておきます。
- 収入-経費=利益 → 所得
- 所得×税率=税金 ← 所得税・法人税
経費の適切な計上は、事業に関連した所得税・法人税の負担減となります。
事業に関連した領収書やレシートの保管が大切なことがわかります。
一方で、架空の経費の計上のイメージには誤解がありそうです。
経費のごく一部を架空に計上している印象かもしれません。
誤解です。
上記の発想は当事者の主観的な発想を優先させています。
客観的な視点から架空の経費の計上をとらえると、残念な様相がみえてきます。
当事者にとって架空の経費は全体の一部に過ぎないとわかりますが、
- 第三者の目線からは全てが疑わしい!
と評価が異なります。
ごく一部の誤りとしてではなく、全体の評価を台無しにします。
図解以外でも直感的に経費の妥当性はわかります。
- 従業員が支払った金額を経費として認められるか?
怒鳴りつける衝動に駆られたのであれば、不適切な計上かもしれません。
鏡をみての感情の確認がおすすめです(笑)。
経費と直感 判断も効率化する!
経費の計上は会計・税務で大きな論点です。
参照すべき理論・法律、事例に事欠きません。
個人事業主の家事関連費の必要経費への計上のように判断が分かれる
といった対象もあります。
とはいえ、そうした判断にアタマを悩ませる経費の計上の全てが
事業の損益全体を毀損するわけではありません。
架空の経費の計上は、事業の損益・税負担全体を損ないます。
IT・DX・AIの利用による効率化はプラスの効果につながりますが、
残念な判断や処理でご破算になります。
直感的に経費がわかっていてもパッとしない印象かもしれません。
誤解です。
残念な判断を放って置くと、時間もお金も失います。
古典的な残念な判断は直感的な理解で防げます。
残念な判断をしないことも効率化につながります。
蛇足
税理士の仕事はAIで代替される、という定番の予想があります。
古典的な不正が続いている実情を知ると、遠い世界のお話のようで
先が長そうです。
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