確定申告は納税までやって完了です!
納税負担で慌てたら!?
使い古された言い方ですが、「帰るまでが遠足」です。
うっかり納付漏れといった事故に遭わないように
最後まで気が抜けません。
納税で完了 3月なのに余裕!?
毎年のことですが確定申告期になると、「武勇伝」が聞かれます。
- 3月14日に飛び込みの客が来た!
- 3月15日の夜に税務署の時間外受付に申告書を投入した!
幸か不幸か、私には上記のような武勇伝がありません。
申告期限ギリギリの状況を税理士から依頼者目線に変えてみると、
それほど心配していない印象があります。
その背景には、
- これまでも乗り切ってきた実績(過信?)
- 税理士なら何とかするはずという信頼(誤解?)
- 納税負担額に不安が無いという現実(納得!)
という思惑がありそうです。
とりわけ、納税負担が想定できている場合には、
不安要素は申告期限のみとなります。
一方で、申告期限直前になって想定外の納税負担が判明すると、
金額以上の動揺が生じます。
納税で完了 ヤバいッ!の前に確認
確定申告は決算書や申告書を提出すれば完了、ではありません。
「納税」が不可欠です。
「武勇伝」のケースでは、「振替納税」を利用されており、
申告書の提出でゴールと認識されていたはずです。
まず、想定外の納税負担が生じた結果の場合、
- 帳簿の見直しが最優先
となります。
売上の二重計上・過大計上・期ずれの可能性があります。
経費の計上漏れがないかの確認も必要です。
売上の除外や架空経費の計上は論外ですが、
上記のようなミスは無用な負担を増加させます。
青色申告を選択しているのであれば、「特別控除」も確認します。
また、帳簿の次に申告書の「所得控除」の漏れがないか
再度確認します。
毎年の税制改正があるとはいえ、前年度申告書と比較すると
漏れに気づくこともあります。
上記の決算書や申告書での再確認が済むと、
納税のための対策に移ることになります。
まず、手元のお金の確認です。
確認対象は以下の2点です。
- 預貯金残高
- 3~4月以降の想定支出
年度の移る時期は何かと物入りです。
自分や仕事だけでなく、家族・世帯も含めて
想定をすることになります。
次に制度上の納税の選択肢を検討します。
- 振替納税
- 延納
- 猶予
「振替納税」を利用すれば、4月まで時間を稼げます。
(確定申告のスジのいい時間稼ぎとは?)
さらに「延納」を使うことで5月まで時間を作れます。
(税金の納付 延納での時間稼ぎも)
それでも納税が厳しい場合には、「猶予」が選択肢となります。
振替納税や延納とは異なり、「猶予」では税務署への申請が必要です。
納税で完了 後回しが厳しくなる!?
納税負担をどのように感じるかといった主観は別として、
税理率は「1」を超えません。
事業所得であれば、
- 売上-経費=利益≒所得
- 所得×税率=納税額
とザックリいえるので、
- 所得>納税額
- 所得-納税額>0
ととらえられます。
(暗号資産云々などは割愛)
申告期以前より納税の資金繰りをしていれば、
無用な不安を抱えずに済むともいえます。
2023年(令和5年)10月からは消費税インボイス制度が始まります。
所得税とは異なり、消費税では、
- 利益とは直接かかわることなく納税負担が生じる
と直感的にわかりにくい負担を抱えます。
確定申告期での「武勇伝」は一歩間違えれば、
「しくじり」申告となります。
2023年以降は納税と資金繰りを検討する機会が
これまで以上に懸念されます。
蛇足
勤務時代も「武勇伝」と距離を置いていましたが、
独立後は明確にアンチ派です。
通常業務にしわ寄せがきます。
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