課税事業者になる発想も見直しだから、
経理の定番や前提も更新していく!
定番や定石(定跡)が万能の選択肢とは言えません。
知ってるつもりやわかってるつもりが誤解の原因
にもなりそうです。
前提も見直し 動画だから簡単!?
「デジタルネイティブ」ということばだけをみると、
それほどのインパクトは感じません。
生まれた頃からすでにインターネット環境が充実していれば、
ITやDXといった発想にも抵抗が無いことはわかります。
とはいえ、それでも現状を知ると驚かされます。
たとえば、教育の現場。
児童のIT利用では、
- 動画の投稿 → キーボードの利用
と進めることがあるようです。
動画の投稿にはハードルの高さを感じます。
一連のコンテンツの投稿過程を想定すると、
- 構成
- 脚本
- 撮影
- 編集
- 投稿
と課題が多々あることがわかります。
上記の心理的な負担には見えていない前提もあります。
「テレビ(番組)」の存在です。
非デジタルネイティブにとっての「動画」は「テレビ」
といった暗黙の設定があります。
少数のプロが制作して、限定的に使えるリソースで配信
というちょっと近寄れない分野ともいえます。
これに対して、デジタルネイティブの児童にとっては、
- 動画=YouTube
- スマホやタブレットで撮影して、サクッと投稿
という見方になります。
動画の「投稿」もテキストファイルのデータ「共有」も
大差ないのかもしれません。
前提も見直し 段階的な経理処理?
面倒な仕事や厄介な修理に対しては、
- 困難は分割して対応する
- 難易度が低めのものから手をつける
といった発想が定石です。
「段階的」や「ステップ・バイ・ステップ」という
進め方での対応となります。
そうした発想は制度の仕組みと関連することもあります。
たとえば、消費税と事業者。
課税売上高が1,000万円を超えると「課税」事業者となります。
巨額の投資などを予定していない新規の事業者場合であれば、
当初は「免税」事業者が定石です。
あえて「課税」事業者となって、消費税の納税負担を増やすと
資金繰り上経営の選択肢が狭くなりかねません。
とはいえ、上記の「定石」も2023年(令和5年)10月まで
と見直しの必要があります。
10月以降開始される「インボイス制度」対応を考慮すると、
- 売上高とは関係なく「課税」事業者を選択する
といった発想が合理的になる場合もあります。
前提も見直し サポート側も更新!
税理士が小規模な事業者をサポートする場合、下記は必須です。
- 経理
- 所得税申告
必須ではあるものの、税金が所得税での対応のみであれば、
「簡易」簿記といった選択も残ります。
経営規模と経理処理を段階的に見直していくことになります。
一方で、小規模な事業規模でも消費税の「課税」事業者の場合、
- 会計ソフト
- クラウド会計
- 複式簿記
といった経理は当初から利用を想定する対象となります。
定番や前提の更新は必ずしも負担の増加とは言えません。
かえって効率性の観点での改善につなげられる可能性があります。
経営者だけでなく、サポートする税理士にとっても、
制度や環境の変化による定番や更新は必要になります。
税理士からお客様や相談者へおすすめする内容も
更新や見直しの対象となります。
蛇足
教育で使われる動画投稿アプリでは「Flip(旧:Flipgrid)」があります。
子どもにとってはYouTuberとの距離感はないのかもしれませんね。
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