税務会計の処理は手を動かしながら準備する!
次の展開と別の疑問が見えていますか?
「手を動かす」ことを軽くみていたときがありました。
アタマを動かすんじゃないの?、と…。
手とアタマどちらを動かすか?といった不毛な検討は
早々に打ち切ることをおすすめします。
手とアタマ 情報収集が空回り!?
未知の課題でも何かしら対応が必要なときには情報収集をします。
ウェブで検索すれば、とりあえず手がかりがつかめます。
確からしい参照先や複数の情報源から情報を収集すれば
的外れは防げそうです。
見通しが立てば、不安な状況を落ち着かせることができます。
たとえば、所得税の確定申告。
納税の義務は学んでいても、申告手続きは未知の領域かもしれません。
他方、税金は関心の集まりやすい対象なので、情報収集には苦労しません。
「所得税 確定申告」で検索してみると、困るくらいヒットします。
手とアタマ 見えてくる展開と疑問
情報収集が進めば自動的にアタマが起動するか?というと、
残念ながら空回りしがちになります。
会計にしろ税金にしても、膨大な体系で構成されています。
収集した情報が多過ぎると、アタマが動きません。
たとえば、所得税の「雑損控除」。
災害などで受けた被害に対して所得税負擔を緩和する仕組みです。
雑損控除も所得控除の一つです。
通常の控除とは異なり、控除しきれなかった額は3~5年繰り越せる
といった仕組みもあります。
制度の概要や仕組みの理解は難しくはありませんが、
- 具体的にどんな資料が必要か?
- どれくらいの負担軽減の効果があるのか?
といった疑問点が出てきます。
アタマを動かすことも大切ですが、手を動かしてみると、
次の展開が見えてくることもあります。
ウェブで「確定申告書等作成コーナー」に試しに入力してみると、
アタマで理解していただけでは足りなかった点が見えてきます。
雑損控除であれば「損害金額」は必須の入力項目ですが、
具体的な金額の算出では詰まる箇所と言えます。
家屋の損害であれば「合理的な計算方法」による算出が現実解です。
算出には、罹災証明書や固定資産税の納税通知書などが必要となります。
家財への被害であれば、被災した家族の構成が算出の根拠となります。
雑損控除の処理を手を動かして進める過程で、追加の疑問が出るかもしれません。
- 災害義援金は受け取った保険金に含めるのか?
- 含めずに計算します
- 家屋を解体して更地にしたら固定資産税が高くなるのか?
- 税負担の軽減の特例が申請できます
(災害で被災した後は固定資産税の特例を申請!)
- 税負担の軽減の特例が申請できます
手とアタマ 矛盾なく両立します!
アタマだけで情報収集を進めても、具体的なゴールまでには
解決する課題や別の疑問が出てきます。
もっと効率よく進められないかと思いたいところですが、
前向きに加点主義でとらえていただくことがおすすめです。
アタマも手も動かしてみると、全体像やつながりがわかりすくなります。
当初から税理士に丸投げは一見効率が良さそうですが、
対応が後手に回る上に理解が進むとは言えません。
情報収集と手を動かすことは効率化の面で矛盾なく両立します。
蛇足
12月以降、税務会計業界は繁忙期となります。
手もアタマも動かすことになりますが、寒さでフリーズ…(笑)。
ヒーターベストの温度をUPして対応です。
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