個人事業主はお金が見えにくい!?
青色申告特典の見えない的とは?

お金・キャッシュ・現ナマが大切!、と言われるまでもないはずです。

だからといってわかりやすい状態かは別問題です。

「?」がピンとこない方はご一読!

見えにくいお金 決算書・申告書で充分か?

「ではご確認ください。何か疑問はございませんか?」

確定申告の一連の処理が済んだ際の私からお客様への確認です。

返答までの沈黙が続くと、何もないといいけどなぁ
と思ったりします(笑)。

お客様からは税額への問い合わせが目立ちます。

確定申告の目的が税金の申告・納税なので当然と言えます。

想定していた税額との差異や前年以前との税額の比較をして、
照会内容を確認していきます。

事業所得であれば決算書・申告書が確認対象となりますが、
年間を通じて増減したお金は話題の対象外になりがちです。

お金の増減は個人事業主・自営業では留意が必要となります。

見えにくいお金 損益計算の対象外はどこへ?

事業・経営とお金の検討では損益計算に関心が向きます。

  • 売上高の増減・傾向
  • 粗利益の変化
  • 経費の増減 etc

当年分の損益計算書だけでなく、過年度の損益計算書も比較対象です。

経営者であれば事業規模や業種・業態に関係なく関心が強い対象です。

他方、経営者ではあるものの確認が後回しになりがちな対象があります。

借入金や生活費です。

損益計算に直接関連しない対象です。

お金をいくら借りても返済しても損益計算の対象外です。

「借入金」が増減するのみです。

財務取引は重要な取引ですが、損益計算書だけでは把握できません。

個人事業主であれば「給料」はありません。

生活費への支出は「事業主貸」で計上され、損益計算の対象外です。

借入も生活費(事業主貸)も重要なお金の管理対象ですが、
損益計算書ではなく貸借対照表に計上・関連します。

見えにくいお金 特典以外の的とは!?

小規模であっても「法人」であれば損益計算書だけでなく、
貸借対照表も作成します。

「役員報酬」として法人より報酬(≒給料)を受け取ります。

他方、個人事業主は必ずしも貸借対照表の作成は必要ありません。

青色申告かつ特別控除65万円を選択しない場合には
貸借対照表を作成しないことになります。

決算書が損益計算書だけでは、

  • 税務申告と関係のない対象は見えにくくなり

経営者であってもわかりにくく感じられます。

法人であってもお金の増減の分析には損益計算書や
貸借対照表だけでは済みません。

「キャッシュフロー計算書」の作成や分析が必要になります。

直感的に把握できそうなお金だからといっても
増減の把握が簡単とは言えない面があります。

個人事業主の会計・簿記の選択肢は、

  • 白色申告‐損益計算書(収支内訳書)
  • 青色申告‐損益計算書・簡易(単式)簿記
  • 青色申告‐損益計算書・貸借対照表・複式簿記

と柔軟な選択肢があります。

青色申告のメリットは複式簿記での65万円特別控除等が注目されます。

税負担額に焦点を当てるとまとを射ている選択です。

とはいえ、青色申告の特典の的は税負担の軽減だけではありません。

複式簿記での記帳により貸借対照表を作成することで、
結果的に事業や生活ともつながるお金も把握していきます。

お金・キャッシュ・現ナマはわかりやすい印象がありますが、
事業とプライベートがつながると見えにくくなります。

個人事業主は貸借対照表を通して財務取引や生活費支出を把握する
経理でお金の流れの見える化の見直しがおすすめです

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蛇足
貸借対照表の事業主貸は生活費分の支出の把握につながります。
ただし、事業とは無関係の資産状況が把握できるわけではありません。
事業もプライベートも含めたワンストップ処理は欲張りすぎです(笑)。

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