次の手を打つために事実と意見を分ける!
曖昧な不安を見える化する!
災害も不安も絶対になくなりません。
それでも打つべき手はあるはずです。
不安を見える化 事実と意見を分ける
税理士のメイン業務の一つに税務相談があります。
お客様からの相談を受けて回答するという業務であり、
一見すると申告書の作成よりシンプルな印象です。
専門家なんだから一般人からの相談への回答は
気軽な業務とも思われそうです。
誤解です。
税務相談の過程は理想的には、
- 相談内容を問い合わせ → 税理士からの回答
となりそうですが、実態は、
- 相談内容を問い合わせ → 相談内容を確認・整理
と回答の前にワンクッションを置きます。
不慣れな事態に直面して不安を抱えていると、
- 事実・現実
- 意見・見解・希望・願望
といった要素が混在します。
結果として、誤解が生じていることもあります。
たとえば、相続と相続税。
民法と相続税といった複数の法律が関わります。
財産の「評価」額と「取得」額を混同してしまい、
相続人間での不信につながることもあります。
不安や誤解の原因を確認・整理せずにいると、
問題がこじれます。
不安を見える化 能登地震の状況は?
当事者もさることながら、状況がはっきり見えていないと、
不安は第三者にも及びます。
たとえば、地震。
2023年(令和5年)5月5日に能登地方で地震が発生しました。
最大震度が6強であり、お亡くなりになった方や家屋の倒壊
といった被害が発生しました。
不安を抱える状況が続いています。
一方、5月5日の最大震度の地震以降の揺れによる災害の報道は
確認されていません。
地震の発生という「事実」と不安と感じる「意見」には
ズレがありそうです。
「事実」を見える化することで不安といった「意見」を
落ち着かせていきます。
気象庁が「震度データベース検索」といったサイトを運営しています。
時系列での地震のデータを確認することができます。
CSVデータがダウンロードできるので、加工してグラフ化してみました。
(対象期間は5月5日~5月7日)
5月5日14:42の震度6強は際立っています。
一方、その後は災害を発生させる規模の揺れには至っていません。
災害を発生させるほどの地震が発生した後だからこそ、
経過のデータを見える化して「事実」の確認が必要です。
不安を見える化 停滞と悪循環を防ぐ
「事実」と「意見」が混在することで不安になると、
- 判断や行動が停滞するだけでなく
- 思考が悪循環の堂々巡りになる
といった問題を抱えます。
「事実」と「意見」を分けて、不安を見える化することで、
停滞や悪循環を打ち切るきっかけになります。
不安が一挙に解消する・できるとは限りませんが、
次の手を打つことが優先です。
追記 震度データのグラフ化
本文で紹介した震度の時系列グラフは以下の加工で作成しました。
まず、ダウンロードしたCSVファイルをExcelで開きます。
「すべてのファイル」でCSVファイルも表示されます。
CSVファイルをExcelで利用するために以下で設定を行います。
元のデータのファイル形式を選択します。
区切り文字では「コンマ」を選択します。
列のデータ形式を「標準」とします。
上記の設定が済むと、Excelでの処理が可能となります。
項目にフィルタを設定して、該当する地震のデータに絞ります。
(フィルタは「データ」→「フィルタ」で設定します)
「地震の発生日」と「地震の発生時刻」のデータを結合します。
- =TEXT(A2,"YYYY年M月D日(AAA)")&" "&TEXT(B2,"H時MM分")
地震発生後から開始されるグラフとするためにデータを並び替えます。
(「データ」→「並び替え」-「A→Z」(昇順)を選択します)
さらに「震度」の文言を置換で除去します。
(「Ctrl」+「H」で置換し、置換後は空白とします)
データの加工が済んだら、データを選択してグラフ化します。
(「F11」で自動的に作成されます)
蛇足
アイキャッチ画像は実家でいただいたあべかわもちです。
もちは草もちで今春採れたヨモギを使ったそうです。
パッと見ではわからない季節感でした。
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