家内労働者の必要経費の特例って何だ? 給与・シルバー人材・個人年金の確定申告

なんだか盛りだくさん(笑)。


車内でホッと一息

家内労働者の特例 汗だくの相談応対

確定申告の時期になると税理士には税理士会から、

  • 税務署
  • 市町村役場
  • 商工会

での支援業務の動員がかかります。

私も昨年は国税局での電話相談と役場での応対に
参加しました。

今年2022年(令和4年)は役場と商工会議所での
支援業務に参加する予定です。

税理士が確定申告の支援業務に携わるわけですから、
参加する当事者も違和感はありません。

とはいえ、実際に参加してみると印象が変わります。

通常、、税理士が業務で確定申告をするという場合、
経営者の確定申告が目立ちます。

所得の区分では「事業所得」となります。

事業所得以外では、

  • 不動産所得が目立ち、
  • 譲渡所得や配当所得は上記よりマイナー

といった印象があります。

言い換えると、所得税の確定申告といっても

  • 利子所得
  • 給与所得
  • 退職所得
  • 山林所得
  • 一時所得
  • 雑所得

といった所得を扱うことはそれほど多くありません。

ところが、確定申告の支援業務に従事すると、
マイナーと思っていた処理に直面して汗だくになります。

家内労働者の特例 高齢者の収入と所得

たとえば、高齢者の方の確定申告。

当初の私の想定では、高齢者の確定申告を

  • 収入は公的年金
  • 医療費控除で還付申告

と漠然とイメージしていました。

確かにそうした方のご相談は多かった印象があります。

その一方で、金額の問題以上に収入源が意外に多様
という印象がありました。

一例を挙げると、

  • アルバイトなどの収入 → 給与所得
  • 公的年金からの収入 → 雑所得
  • 個人年金からの収入 → 雑所得
  • シルバー人材センターからの収入 → 雑所得

といったケースはありえます。

本来なら慌てる要素ありません。

確定申告をするといっても、

  • 給与所得ならば源泉徴収票
  • 公的年金等での源泉徴収票
  • 公的年金での支払確認書
  • シルバー人材センターからの配分金支払証明書
  • その他:医療費の領収書やレシート

が揃っていれば対応できます。

とはいえ、上記の資料だけを機械的に扱うと、
見逃してしまうことがあります。

家内労働者等の必要経費の特例」です。

家内労働者の特例 何の特例か?

「家内労働者等の必要経費の特例」とは、

雑所得の必要経費を実額ではなく、55万円まで認めるという特例です。

シルバー人材センターからの配分金に上記の特例が該当します。

給与所得と雑所得があるケースでは以下の順で処理します。

この特例では公的年金等以外の雑所得を対象にしています。

給与収入が55万円未満なら、

  • 55万円ー給与収入=X、より
  • X ⇔ 雑所得の実額の経費、を比較して
  • 高い方が必要経費

となります。

実額での必要経費よりも高い必要経費を計上できれば、
税負担は小さくなります。

  • 収入-必要経費=所得
  • 所得×税率=税額

源泉徴収されていた金額より確定申告での税額が小さいほど、
税負担は小さく、還付は大きくなります。

書類や資料の保管・確認が不可欠なことは言うまでもありません。

 

蛇足
高齢者の方では、まず確定申告が必要かどうかの判断が先決です。
下記のケースでは確定申告は不要です。

  • 公的年金等の収入が400万円以下
  • 公的年金等の雑所得以外の所得が20万円以下

しかし、医療費控除などを適用して確定申告をした場合に
源泉徴収された税金が還付される可能性があります。
確定申告をする・しないに関わらず書類や医療費の領収書は
手元での保管が必要です。

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