記帳指導の終了後の進路とは?
成果で変化に対応していく!
確定申告期は「卒業」とも重なる時期です。
同時に新しいスタートも見えてきます。
指導終了後 卒業の時期
税務会計の仕事はルーティン化がしやすい面があります。
たとえば、個人事業主と確定申告。
1月1日から12月31日までの事業活動成果を、
翌年3月15日までに申告・納税します。
申告・納税が完了すると、一段落という印象です。
とはいえ、事業活動は確定申告期とはかかわりなく
継続しているという実態もあります。
申告・納税も事業活動の一環でしかありません。
その一方で、確定申告期に「卒業」となることもあります。
顧問契約の解除、ではありません(笑)。
「記帳指導」の終了です。
毎年9~10月に始まる月1回の税理士による記帳指導は
2~3月の確定申告期に終了します。
指導終了後 現状から振り返る
記帳指導とは、
- 税理士会と税務当局(税務署)のコラボ企画であり、
- 受講を希望する事業者に対して、
- 税理士がマンツーマンで、
- 経理から決算・申告までコーチする
という企画です
受講者にとっては無料で受講できるメリットがあります。
また、会計ソフトの利用も希望次第なので、
費用負担を抑える選択も可能です。
経理知識や経験に乏しい事業者にとっては有効な選択です。
1年分の経理と決算・申告処理を経ることで、
不安や負担を解消できます。
残る留意点は、記帳指導は期間限定のサポートということです。
「卒業」後も経理や税務申告をめぐる課題は続きます。
見方を変えると、不安の解消手段が必要となります。
まず、おすすめは記帳指導の振り返りです。
手つかずや自己流であった当初の経理段階を
確定申告終了後の現状から振り返ります。
経理や決算・申告に必要であった
- 処理
- ツール
- 考え方
- 仕組み
- 必要な資料
といった対象の振り返りが可能になっているはずです。
決算を経て申告・納税が済んでいるのであれば、
無申告などの重篤なリスクはないはずです。
次に考慮しておきたいポイントは「変化」です。
指導終了後 変化に対応できる!
税務会計の処理は年単位ではルーティン化できる面があります。
ただし、処理をルーティン化した場合でも、
- 事業活動
- 仕組み・法律
といった変化で見直す可能性があります。
事業活動の変化としては、
- 事業規模の拡大
- 金融機関からの融資(借入)
- 新規の投資
- 雇用の開始
- 法人成り
といった局面があります。
仕組みや法律による外部環境の変化もあります。
たとえば、2023年(令和5年)10月から始まる消費税インボイス制度。
制度開始以前から取り扱いが変更されたり、
追加の措置が発表されています。
記帳指導終了時点では想定されていなかった
判断や処理に迫られるかもしれません。
いずれの変化も記帳指導の成果だけでは対応しきれない
という可能性があります。
とはいえ、変化があるから即お手上げとはなりません。
記帳指導での成果を土台にして知識を更新・補充
していくこともできます。
また、税理士などの専門家に依頼する場合でも
- 単純な処理の丸投げではなく、
- 期待する効果を確認しつつ
成果につなげることも可能です。
記帳指導での直近の目標は、青色申告+電子申告ですが、
「卒業」後につながる成果もあるはずです。
蛇足
アイキャッチ画像は近所の田んぼの畔で撮影した
オオイヌノフグリです。
北陸(石川県)でも春に近づきつつあるようです。
蛇足2
新規の事業者の場合、
- 確定申告が必要だとわかっているけど、
- どうしたらいいのかと税務署に尋ねて、
- 記帳指導を紹介される
といったことがあります。
9月以降に始まる記帳指導なのですが、
確定申告をきっかけに申し込む機会もあります。
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