売上や税額の合計額だけで納得できますか?
会計処理を再設計する!

帳尻があっていればOK!、という割り切った発想は
過度の不安や負担回避におすすめです。

他方、合計額だけの把握では残念なこともあります。

合計額だけか、細分化が必須か?といった択一ではない
妥当な選択のおすすめです。

足下にも季節感

合計と細分化 必要だが納得できるか?

月次でも年次の決算・税務申告でも結論を先にお伝えする
といったことに留意しています。

税務会計の用語や様式に慣れている経営者であっても、
延々と処理から報告されるとゲンナリされます(笑)。

税務会計の「結論」では、

  • 売上高
  • 損益状況
  • 納税額

と「合計額」を中心にシンプルにお伝えします。

税務申告は決算書・申告書の作成だけでなく「納税」で完了です。

申告・納付期限が迫っている状況ではやむを得ません。

合計額を把握することも経営の成果の確認です。

とはいえ、合計額だけの把握にとどまられると残念です。

せっかくの税務会計の成果が経営に反映されません。

合計と細分化 不安が募る資金繰り

所得税・法人税・消費税はどのような事業や規模であっても、
税額は1つに絞られます。

一方で、税額を算出する対象の事業は細分化していることが
小規模経営でも珍しくありません。

  • 事業区分:卸売・小売・製造・サービス業
  • 販売形態:相対取引・通信販売・委託販売
  • 取引先:特定の法人と一般の個人顧客
  • 季節商品やサービス etc

どれも売上高の合計額だけを見てもピンときません

合計の売上高が同じ場合でも、売上総利益額(粗利益)や
利益率は全く異なる可能性があります。

たとえば、法人顧客への食品の卸売とサービス業の売上。

利益は「所得」として法人税・所得税に反映されます。

他方、消費税は利益・所得といった損益計算ではなく、
事業の取引規模や事業区分、課税取引に左右されます。

課税売上高が同じ場合でも税負担額は異なります。

売上や税金の合計額だけをとらえても、資金繰りが関連すると、
不安が甦ります。

仕入額が大きい取引と消費税の納税が重なるときなど
経営者の直感だけでは把握しきれない状況もあります。

年度末に売上高や利益の合計額だけを税理士から伝えられても、
かえって不安が募るかもしれません。

対策は決算・申告期以前の段階にできたはずです。

合計と細分化 会計処理を再設計する!

決算書も申告書も日々の経営の記帳から成り立っています。

適切でタイムリー、かつ効率的な記帳が必要です。

さらに事業の経営状況や資金繰りの管理に役立つ
といった会計処理も可能です。

たとえば、売上や仕入の科目別・補助科目に利用。

あるいは会計ソフトだけでなくExcelなどを併用して、
経営状況を把握することもできます。

細分化しての処理が常に必要で有効とは限りません。

事業内容や経営状況だけでなく、経営者の判断が必要です。

税理士との顧問契約では、会計処理の進め方だけでなく、
期待する成果の再確認がおすすめです。

定番の処理だけでなく、強調したい対象に焦点を当てていくことで
合計額だけでは見えてこない状況も把握できるようになります。

 

蛇足
アイキャッチ画像ははソメイヨシノが散っている光景です。
満開の桜も、足下に花びらが散る光景にも春らしさがあります。

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