相続財産を隠して無事に申告できるか?
申告事績の概要と調査等の状況を要確認!

必要に迫られると知恵が働きます。

ただし、悪知恵や浅知恵だったりかもしれません(笑)。

類似例から末路を知っておくことも予防策となります。

隠れていただきます(笑)

隠して申告 通帳を焼却する…!?

税金は何かと悩みや不安のタネになりがちです。

仕組みがわかりにくいだけでなく、申告の機会が少ない場合、
不安を煽る情報に翻弄されるかもしれません。

相続税は申告に直面する機会が少ないこともあり、
知識のなさや曖昧さが不安を大きくする税目です。

申告の必要性に迫られ、残念な知恵を巡らせていると、
かえって残念な結果に陥ることになります。

たとえば、相続財産を隠しての申告。

亡くなった方(被相続人)の銀行通帳を焼却処分すれば、
税理士にも税務署にもバレないんじゃないか…?

隠して申告 申告事績の概要と調査等の状況

根拠不確かな情報で一喜一憂したり早合点するよりも
地味でも内容が確かな公開情報が判断の根拠になります。

国税庁が毎年公表している報告が参考になります。

2025年(令和7年)12月に以下の2つが公表されています。

  • 令和6年分 相続税の申告事績の概要
  • 令和6事業年度における相続税の調査等の状況

「申告事績」からは被相続人も相続税申告が必要な相続人も
増加傾向項にあることが示されています。

相続財産の金額についてもデータが公開されています。

どの財産項目も増加していることが確認できます。

「調査等の状況」では申告漏れについて確認ができます。

下記はどの財産がどれくらい漏れていたかというデータです。

「現金・預貯金等」の漏れもしっかり調査で確認されています(笑)。

通帳は銀行口座の利用者側で残高を確認するメディアとなりますが、
元データは銀行でガッチリ保管されています。

税務調査では被相続人だけでなく、相続人の口座も対象となります。

安直な財産の隠匿はかえって不安のタネをまくことになります。

隠して申告 不安材料を残さない!

適切な相続税の申告・納税だから相続人に負担になる
という発想は問題をこじらせます。

相続税には配偶者の税額の軽減措置や小規模宅地の特例
といった税負担を軽減する仕組みがあります。

当面の相続税申告・納税だけでなく、いわゆる2次相続も
含めて検討する可能性もあります。

いずれの場合も被相続人のすべての財産を対象にする
といったことが前提です。

不適切な相続税の申告で場当たり的に乗り切っても、

  • 将来の税務調査 → 追徴税額
  • 不確かな目論見での2次相続

といった状況では不安の材料が残ります。

適切な方向で税理士と協働で知恵を巡らせることがおすすめです。

相続財産を隠さない適切な相続税申告が不安解消の最良の選択になります

 

蛇足
アイキャッチ画像は「山野草(柴舟小出 金沢市)」の「山」です。
カステラとそぼろ餡がしっとりした食感で合っています。
和モダンな印象のお菓子ですね。

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