相続登記の申請義務化のマスタープランとは?
不動産の相続は税金も登記も課題!
当局からの「予告」と「義務化」がセットになると、
「宿題」が想定できます。
まずは「予習」からスタートです。
相続登記 相続の後始末もお忘れなく
相続が開始されると各種の手続きに追われます。
「追われます」という背景には、
- お金の入出金
- 税金の申告期限
と相続人当事者だけで決められない問題があるためです。
申告対象の税金では、相続開始から
- 所得税・消費税の準確定申告-4か月
- 相続税申告-10か月
と期限が決められています。
その一方、相続した不動産の「登記」となると、
- 期限が無い
- 当局からのペナルティも無い
といった状況でした。
2024年(令和6年)3月末までは「といった状況です」
となっています。
2024年(令和6年)4月1日からは、
- 相続登記の申請義務化!
となります。
相続登記 マスタープランのアメとムチ
2023年3月に法務省が相続登記の申請義務化のための
マスタープランを公表しました。
申請義務化が開始されると、
- 相続による開始3年以内に相続登記を申請
- 申請を怠ると10万円の過料
といった制約が相続人に課されます。
マスタープランでは上記の「ムチ」に対して、
- 相続人申告登記の創設
- 価格100万円以下の土地の登記の登録免許税免税
- 当局との電話・ウェブ会議・対面での応対
といった負担軽減の「アメ」が示されています。
費用面だけでなく、オンラインによるやりとりも想定されており、
相続登記の申請の負担減が期待できそうです。
また、申請義務を達成していないことが判明した場合でも、
- 即過料!、ではなく
- 義務の履行を催促し、
- 「正当な理由」を検討する
といった運用が示されています。
とはいえ、相続登記の申請が義務化される
という制度が開始されることになります。
相続登記 時間が必要な理由
相続の開始は特定の個人が亡くなられた後に
開始されます。
被相続人は「1」人に、
- 相続人
- 相続対象の不動産
といった構成となります。
不動産は現預金のように分割や移動に制約があります。
相続人や相続対象の不動産が「1」より大きくなると、
税負担額とは別の問題が生じます。
相続登記の申請義務化はそうした状況に
追加の課題となります。
相続人間での折り合いをつける相続のためにも
検討や準備の時間は必要です。
検討や準備の時間は相続開始後に限定されません。
蛇足
相続登記の申請義務化は所有者不明土地問題解消の一環
と位置付けられています。
「空き家」問題は直接関連していないものの、
所有者による管理の強化の方向で関連しています。
京都市では独自の「空き家」課税導入を検討中と、
他地域への影響も見逃せません。
(2026年度「非居住住宅利活用促進税」を導入?)
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