取引先がインボイス未対応でも慌てない!
簡易課税・経過措置・2割特例
ストレートな対応が想定外のトラブルとなることもあります。
スカッとさせる気持ちよりホッとできる見通しがおすすめです。
取引先未対応 お手紙にヤキモキ!?
メールを出してなかなか返事が返ってこないとヤキモキする
ということがあります。
相手次第で変わるスケジュール調整といった場合、
ちょっと不安定な時期が続きます。
2023年(令和5年)10月から始まる消費税インボイス制度でも
そうした不安を抱える状況が続いています。
インボイス制度では納税額に影響する仕入税額控除が
取引先の対応により左右されます。
課税事業者にとっては取引先のインボイス対応が関心事です。
インボイス対応へのビジネスレターの出番も多くなります。
(取引先からのインボイス対応照会で慌てない!)
一方、取引先の動向とは関係無く対応できるアプローチもあります。
取引先未対応 立ち位置を確認する!
課税事業者にとっての消費税の納税額は、
- 納税額=(受け取った消費税)-(支払った消費税)
という原則があります。
「支払った消費税」を確実にする根拠が取引先のインボイス対応です。
本則課税の課税事業者が「支払った消費税」を気に掛けることになります。
一方、課税事業者とインボイス対応と一歩引いてみると、
取引先とはストレートな対応ばかりとは言えません。
たとえば、課税事業者であっても「簡易課税」を選択している場合。
- 納税額=売上-(売上×みなし仕入率)
と納税額は売上金額により左右されます。
取引先のインボイス対応とは関係無く納税額が決まります。
また、本則課税で納税額を算出する場合でも、
- 経過措置
といった仕組みがあります。
インボイス未対応の事業者との取引でも、
- 2023年10月1日〜2026年9月30日:80%控除
- 2026年10月1日〜2029年9月30日:50%控除
といった仕入税額控除の余地があります。
時間をかけて取引先とのインボイス対応を探る選択が可能となります。
取引先未対応 勇み足にご用心!
インボイス対応では課税事業者から免税事業者への勇み足に
注意が必要です。
インボイス未対応の取引先に対して消費税額分を減額する
といった措置は下請法からのストップがかかります。
(インボイスの前哨戦は営業で開始!?)
取引金額のストレートな減額はトラブル要因となります。
「2割特例」といった免税事業者を対象とした緩和措置を
アナウンスする方が安全です。
消費税の納税負担は軽くありません。
とはいえ、取引を台無しにするインボイス対応では
元も子もありません。
現状の立ち位置と選択できる仕組みの利用や準備が
現実的な対応となります。
蛇足
アイキャッチ画像は実家で栽培中のナスビです。
漬物・煮物・揚げ物・焼き物等、夏に大活躍の予定です(笑)。
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