実家の親と財産調査をどう進めるか? 無理のないサポートからアプローチ

北風よりも太陽がベターというアプローチです。


蛇玉もなか(森八・金沢市)

親と財産 相続と介護の老老化

超高齢社会で100歳を超える方が珍しくもなくなると、

  • 老老介護
  • 老老相続

といったこれまでなら仮定や想像の範囲だったケースにも遭遇します。

人生をまっとうするのにどれだけのお金が必要かはともかく、
長寿には健康もお金も欠かせません。

そうしたなかで気がかりなのは、親の財産です。

自分達の老後も気にしつつ、親の老後を円満にするためには
介護へ相続の対象になる財産を知っておく必要があります。

異論の余地のない見方ですが、現実には先送りしがちな問題です。

親と財産 正面から聞き出す=北風

財産は、あえて民法をもちだすまでもなく個人の自由で扱えます。

「人の財布に手を突っ込む」という表現は、

  • 財産がプライベートなものである
  • 財産の処分は排他的である

ということを強固にしめしています。

家族であっても、そうした財産の不可侵性は強いものです。

例外は、親→年少の子ども、家族→認知障害の家族と限定的です。

親の介護費用が心配、親の死後の相続で不安があるといっても、
それだけを理由に正面切って財産を調べようとすれば、
親の側からは愉快ではなく、家族でギクシャクしかねません。

いくら親の介護や掃除機は不安だからといって、
真正面から財産の状況を聞き出そうとすれば、
イソップ寓話の「北風」と同じです。

かえって親のガードが硬くなります。

親と財産 側面からサポート=太陽

親の財産状況を知りたいからといって、正面からのアプローチは
おすすめできません。

遠回りで時間がかかりますが、側面からのアプローチがベターです。

たとえば、預貯金。

金額をストレートに尋ねる北風アプローチではなく、
まず、金融機関や口座の確認からスタートします。

親が毎年確定申告をしている場合、

  • 医療費控除の集計
  • 電子申告
  • 申告書作成のサポート

といった処理で親をサポートする機会がありえます。

とくに還付申告であれば、金融機関の口座と関わります。

また、電子申告をする場合や今後の健康保険証の利用では
マイナンバーカードが活用されます。

皮肉な話ですが、年々複雑になっている確定申告の処理や
オンライン化の対応は高齢者には厳しい状況でもあり、
サポートの機会が増える可能性があります。

電子申告も複雑になっている確定申告も、親にとって不安要素です。

親にとっての不安要素を取り除くサポートというアプローチから
徐々に財産の情報を確認する「太陽」のアプローチがおすすめです。

一手詰めやストレートな対応ではありませんが、
問題をこじらせないアプローチです。

 

蛇足
今後の問題は「子」の世代が電子申告やオンライン化に対応できるか
ということかもしれません。

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