簿記と会計 実務ではの先

一知半解ではあかんのです。

1簿記と会計 あれっこんなん!?
2簿記と会計 会計はどこへ行った?
3簿記と会計 だからこそ会計

簿記と会計 あれっこんなん!?

資格試験で簿記や会計といった科目があり勉強していたことがあります。

複式簿記での取引ごとの処理を覚えて仕訳を起こして、集計、決算書を作成するという連続でした。

簿記と会計の区別は深く考えず、「理論」と試験場は分類される会計上の根拠を覚えるときに「会計」を認識する程度でした。

実際に会計事務所や経理の仕事をしてみますと、あの厄介だった試験勉強は何だったのか?と思うことが多々ありました。

とりわけ新会計基準とされる処理が、世の中の大半を占める中小企業・個人事業者では見かけることがなく、徒労感さえ感じました。
(個人事業者では事業主貸・事業主借という勘定科目が大手を振って登場していることにも驚きました)

簿記と会計 会計はどこへ行った?

試験勉強でも頻出していた会計基準に「リース会計」があります。

長期に渡って、多額の取引内容になることもあり、さらに取引形態が分かれることから重視されるのは当然と言えます。

試験では当然の如く、売買取引としての所有権移転ファイナンスリースを中心に貸借対照表や損益計算書への認識と計上を問う内容が中心でした。

ところが実務では、「中小企業の会計に関する指針」や「中小企業の会計に関する基本要領」を適用した賃貸借処理でした。

経営への影響や事務処理の効率性を考えれば、一応折り合いはつくかもしれません・・・

貧乏性の発想ですが、ではなぜ会計基準を延々と勉強する必要があったのか?ともやもやしました。

資格試験だから形式的に問題として出題されていたと自分を納得させることもイマイチ腑に落ちません。

積極的に単なる簿記上の処理としてではなく、何らかの根拠に基づいている会計上の処理を考えたい余地があります。

簿記と会計 だからこそ会計

制度上中小企業や個人事業者は、負担の少ない会計処理が認められています。

ここで気に留めておきたいのは、処理の負担を軽くすることが認められているのであって、実際の経営状況が変化しているわけではないことです。
言い換えると、負担の少ない会計処理で作られた決算書が実態を表しているかは、別途検討する必要があるということです。

リースを賃貸借処理していても、リース会社から送られてきているリース債務返済表を無視できるわけではありません。

便宜上の処理と実態を結びつけるためにも会計(基準)を勉強しておく意義はあります。

 

蛇足
「実務では」は思考と処理のショートカットになりますが、無自覚に連呼するのは避けたいです。メンドーですが。

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