税金だけど自治体と総務省が主役?
法定外税と空き家新税

今回の記事には税務署も確定申告も登場しません。

それでも注目されている税金がテーマとなります。

空き家税 京都市に新税!

私のブログサイトは3月上旬と下旬でアクセス数が
大きく変動します。

税理士による税務会計のネタが多いこともあり、
3月15日前後でアクセス数が急減します(笑)。

源泉徴収と年末調整で申告不要な方が多いとはいえ、

  • 所得税
  • 確定申告
  • 申告納税
  • 税務署 etc.

といったことばが飛び交う時期ということで
税金への関心が集まります。

確定申告期が終了すると法人(会社)の3月決算ですが、
税理士や経理担当者以外はそれほど注目しません。

そうした時期に税金が話題の的になる場合、

  • 増税
  • 新税

ということがよくあります。

2023年(令和5年)3月、京都市が2026年(令和8年)より
空き家に対する税金を新設することが発表されました。

  • 「非居住住宅利活用促進税(以下空き家新税)」

対象者が限定的とはいっても、事実上の増税です。

注目が集まることは必然ともいえます。

一方で、注目である税金とはいえ、

  • 税務署や国税庁

といった役所ではなく、

  • 京都市や総務省

といった役所の存在が目立ちます。

空き家税 法定外税って何?

空き家新税の税目名「非居住住宅利活用促進税」の横に

  • 「法定外普通税」

と記されています。

税金には必ず法律上の根拠が裏付けとして存在します。

「法定外税」という字面は奇怪な印象となります。

ことばを補うと、「法定外税」とは、

  • 地方税法に規定された税目以外を
  • 地方自治体の独自の税金として
  • 条例による税目

ということになります。

地方自治体による税目ということで総務省が関連します。

地方税法669条が根拠となります。

地方自治体が新税を企画すれば総務省がなんでもOKするか!?
というわけではありません。

法定外税の新設に歯止めの仕組みもあります。

地方税法671条では、住民負担が過重となる場合には、
総務大臣は同意しないこととされています。

京都市による空き家税の新設を総務省が発表したことは、
新税が過重な負担ではないという判断の表れともいえます。

課税する当局と課税される住民の温度差が大きい場合、
物議をかもすことになります。

空き家税 ローカル税か?

京都市の空き家新税は注目されつつも、

  • 条例を根拠とする
  • ローカルな税金

と局所的な話題です。

法定外税は空き家新税以外にも存在しています。

馴染みがないどころか、聞いたこともない税金ばかりです。

法定外税が地域の事情を反映した税金ともいえるため、
ピンとこない印象です。

一方、空き家新税の新設目的は局所的とはいえないかもしれません。

空き家問題は京都市に限定された問題ではありません。

むしろ、空き家問題は全国的な問題です。

京都市の空き家新税の動向は、

  • 今後、全国的に影響を及ぼすかも!?

といった想定で関心を集めそうです。

 

蛇足
新税の施行は2026年(令和8年)とされています。
施行までの間に空き家状況が変化するんでしょうか?

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