試験と実務の勉強の完成度 違って当然

心理的な耳栓、ノイズキャンセリングです。

試験と実務の勉強の完成度 とうもろこしでの違い

試験勉強をしていると、時折雑音が聞こえてきます。
よくある雑音が、「試験に合格はしても、実務では使い物にならないんじゃない」というものです。

発言者がどの程度本気で考えているのか、邪魔したいという嫌がらせなのかはわかりません。

とはいえ、そうした発言を聞かされる側にとっては、勉強への集中力が妨げられる要因になります。

こうした煩わしい発言には、 試験勉強で目指している目標や目的をはっきりさせておくと、ぶれることがありません。

簿記の勉強では、日商簿記3級は実務での運用が不可欠なものが目立ちます。
試験勉強と実務の結びつきが強いといえます。

その一方、税理士試験のとりわけ新会計基準の問題では、大半の税理士が実務上取り扱うことはありません。
新会計基準は実務上の取扱いというよりも、むしろ、会計の専門職としての基礎教養という意味を感じます。
別の視点からとらえると、そうした論点の勉強の意義はわかった上で簡易な処理を行っていることを自覚できるためといえます。

勉強の完成度を高めるといっても、実務での運用に至るまでの完成度を求められるものと、あくまで試験を突破するための完成度が求められる項目に分けて差し支えないのです。

夏の風物詩であるとうもろこしでたとえると、食用のスイートコーンと飼料用のデントコーンの完熟では、状態が大きく異なります。
スイートコーンの完熟では、みずみずしさと甘さが特徴です。
デントコーンの完熟は、カチカチに固く、粉状にしなければ人間は食べられません。
スイートコーンもデントコーンも、とうもろこしです。
食用か飼料かという違いで、完熟といっても異なる状態です。

試験と実務の勉強の完成度 たとえば退職給付会計

税理士試験の定番出題論点として、退職給付会計があります。
計算の要素が多くて、 厄介な論点の一つです。

とはいえ、必ず出題される論点なので、試験勉強としては避けられません。
(理解の道は一本じゃない 退職給付会計の場合)

その一方で、税理士業務として退職給付会計を扱うことはほとんどありません。
税理士が関与する組織の規模を考慮すると、違和感はありません。

また、実際に退職給付会計が適用されている組織でも、具体的な計算は外部の専門会社に委託していることが多いようです。

試験勉強として確実に点数がとれるようにする勉強と、実務上の運用が必ずしも結びつかない論点ともいえます。
退職給付会計のように、試験勉強と実務の結びつきが強くない論点が、無駄や些末な論点というわけではありません。
重要性を知りつつ、実務上の運用に選択肢があるにすぎません。

試験と実務の勉強の完成度  まずは目前の目標に集中でOK

試験直前に最も払拭したいのは、不安です。
最適な状態とは、一心不乱になれる状態です。

試験直前に取り組んでいる勉強の意義は、まず目前の試験の合格にあるという割り切りが大切です。 

実務上の不安は、試験の後で払拭していく時間が充分あります。

物理的な耳栓だけではなく、心理的な耳栓も備えておきましょう。

 

蛇足
デントコーンを無理を言って、一度食べたことがあります。
二度目に無理を言うことはありません(笑)。

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