税理士がICT化推進に賞味期限はあるのか?
世代の交代と断絶!?推進から促進へ!
これこそが我が仕事!という対象は職業上あります。
ただし、時代とともに変化する可能性もあります。
また、緩やかな交代とは異なる断絶もあるかもしれません。
ICT賞味期限 税理士とICT推進
税理士はいわゆる「士業」の一つです。
法律などの制度や仕組みの中でサービスを提供しています。
税理士であれば、
- 税務代行
- 税務書類の作成
- 税務相談
といった業務を核としています。
さらに税理士法の改正によりICT化推進も業務として加わりました。
税理士業以外の士業でもICT化は進展しています。
また、税理士がとりたててICT化に精通しているわけではありません。
一方で、税理士業は、
- 電子申告-ペーパーレス化・オンライン化
- キャッシュレス納税ーキャッシュレス決済
と事務処理面でのICT化やデジタル化・DXと関連しています。
業務の展開だけでなく、お金の管理にも関与するため、
税理士業とICT化推進は相性が良いといえます。
とはいえ、税理士→顧客といったベクトルでのICT化推進は
賞味期限があるかもしれません。
ICT賞味期限 世代交代と断絶!?
私は毎年「租税教室」に登壇しています。
小学6年生や中学3年生を対象とした税金に関する授業です。
とっつきにくい「租税」が授業に加わるわけで、
生徒も大変だなと思ったりします(笑)。
訪れる小中学校は公立の学校です。
特別な設備や環境ではありません。
とはいうものの、
- 生徒には各1台のタブレット
- PCから黒板に投影できるプロジェクタ
- 黒板に貼り付けて使えるスクリーン
- 先生はWindowsとタブレット併用
といった授業風景となります。
「租税教室」の時間中にも関連事項を検索する生徒も
珍しくありません。
私が用意した資料もデジタルで共有するようでした。
時代が変わったなー、という印象です。
2023年(令和5年)時点での実務に従事している当事者は、
ICT環境を業務の過程で段階的に受け入れてきた経緯があります。
あるいは、今後ICT化に移行していくことになります。
2023年(令和5年)時点での小中学生が実務の現場に出る頃には、
税理士→顧客のICT化推進の図式は陳腐化するかもしれません。
世代交代は漸進的であっても、ICT化では断絶の印象が強まりそうです。
ICT賞味期限 もはや国策!?
業務上のICT化やデジタル化・DXは効率化やコスパといった
経営者や組織内だけでの検討では済みません。
たとえば、事業と関連する申告納税。
国税庁の「税務行政とデジタルトランスフォーメーション(2023)」では、
- 納税者の利便性の向上
- 課税・徴収事務の効率化・高度化等
- 事業者のデジタル化促進
といった3つを柱としています。
税理士法では「推進」だったICT化も「促進」と、
- 前進するだけでなく、
- スピードを加速する!
と強化していく方針が示されています。
税理士法で謳われたICT化推進は今後も必要な発想です。
一方で、世代の交代や課税当局のICT化促進という動きも強まっています。
ICT化に早すぎる・速すぎることはないともいえる状況です。
蛇足
アイキャッチ画像はレトロ感満載の「ホワイトサンド」です。
昭和感を凝縮したパンで70年以上愛されています。
廃れない魅力があります。
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