税制改正項目でも関心にムラがある理由とは?

本来なら注目に値すべき内容のはずなのですが、
ボーっと眺めてしまうことがあります。

専門家の目線も一様ではないかもしれません。

葉っぱも実も青々の柿

関心にムラ 専門家らしく?、らしくなく?

「らしさ」は形式主義・権威主義といったマイナスイメージと
つながることがよくあります。

たとえば、税理士業。

  • お堅い
  • 四角四面
  • 融通が利かない etc.

その一方で、悪くない「らしさ」もあります。

  • 真面目そう
  • 信頼できそう
  • きっちりしている etc.

実態は、どっちもどっちかなかもしれません(笑)。

それでも、勉強していそうというイメージは当たり
といえそうです。

知識や思考を基盤にサービスをしている業務の性格上、
勉強は続きます。

税制を始めとして制度の変更があることは前提なので、
勉強の継続スイッチは常に「オン」です。

ただし、関心は一様・斉一ではありません。

ムラがあります。

関心にムラ 関係がある?、ない!?

「税制改正」は好き嫌いは問答無用で税理士であれば
知っておくべき対象です。

税制改正が今後の税務判断を左右する可能性があるため、
勉強対象として疑問の余地がありません。

とはいえ、広範な税制改正の内容を一律に消化しようとすると、
無駄があります。

メリハリをつける、優先順位つけるということになります。

たとえば、2023年(令和5年)の税制改正の場合。

財務省がYouTubeに動画をアップしてまでアナウンスしています。
 (「財務省 税制改正 令和5年度」で検索)

倍速で視聴すれば10分ほどで改正内容を概観できます。

相続時精算課税制度の改正のように相続・贈与の計画を左右する
といった改正は優先的に確認します。

一方、職業上の「教養」程度に確認する対象もあります。

たとえば、「グローバル・ミニマル課税への対応」。

グローバルな取引がある現状を踏まえれば理解しておくべき
という発想が専門家「らしい」見方です。

確かにその通りですが、現実の業務との兼ね合いで(笑)、
サラッとみる程度です。

そうした「教養」とは違った意味で関心の薄い改正項目もあります。

たとえば、「高額無申告に対する無申告加算税について」。

課税の強化、ペナルティの強化と一見すると関心事です。

反面、「高額」・「無申告」への対応を検討する状況に
違和感があります。

関心にムラ 業務と優先順位が相関!

申告納税制度では、

  • 納税者にとって有利な選択の余地がある

といった可能性もあります。

納税者にとって有利な選択が可能であるならば、
検討する価値があります。

あるいは納税者にとって不利な選択をあらかじめ避ける
ことも検討します。

いずれも税理士がサポートする対象です。

私も税理士として勉強を続けていますが、

  • 事前・予防的に有利な判断を優先する

といった点での優先順位があります。

できる手は打ちたいものの、事後的な対応策は劣後します。

税制改正への関心のムラには業務での優先順位があります。

 

蛇足
アイキャッチ画像は散歩中に見かけた柿です。
石川県加賀地方の一部では柿の葉寿司も作られています。
柿の実よりも葉っぱの出番が先行しそうです。

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