確定申告で納付か還付か想定できますか?
所得税の仕組みを知って余裕を作る!
ゆっくりやればいいのになぁ、と思う税務申告があります。
確定申告の「還付」申告がそれです。
気分を軽くすることも負担軽減になります。
納付か申告か? 毎年のやつでお願い!?
毎年のことですが、確定申告期に相談会場で税務申告に従事しています。
コロナ禍の影響もあり、予約制が定着しているとはいえ、
毎年納税者が多数来場されることに変わりありません。
会場での税務申告は時間の制約もあり、事業・譲渡所得などは対象外です。
来場される方にとっては年中行事ということもあり、
- 去年と同じかんじでお願いね
というセリフを何度か聞くことになります(笑)。
お初にお目にかかるので(笑)、資料や状況の確認が必要です。
一方で、申告の結果、「納税」となるのか「還付」となるのか?、
曖昧な不安を抱えて来場される方もいらっしゃいます。
相談会場への入場、予約以前のセルフチェックがおすすめです。
納付か申告か? 所得・所得控除・税額・源泉所得税のブロック図
毎年税金の仕組みは変更されています。
そうした中でも計算の構造には変化がありません。
- (所得-所得控除)✕税率=所得税
ブロック図で見える化すると誤解がありません。
シンプルな図ですが、確認する要素があります。
- 収入と所得の違い
- 所得の合計額
- 所得控除の合計額
- 源泉所得税
収入と所得は事業所得では売上と利益の対応です。
- 売上-経費=利益≒所得
給与収入であれば給与所得控除後の所得が税額計算のスタートです。
源泉徴収票で確認できます。
複数の所得がある場合には「総合課税」のため合算します。
(申告分離・源泉分離課税は割愛)
所得控除は納税者や「生計を一にする」家族も対象となります。
医療費控除は給与所得での年末調整の対象外の所得控除なので、
確定申告までに確認・集計が必要です。
上記までが把握できている状態であれば所得税がわかるので、
「源泉所得税」との比較から「納付」や「還付」が判明します。
シンプルなブロック図ですが、仕組みが一望できます。
納付か申告か? 合理的な先送りは選択肢
所得税の計算の仕組みを理解した上で「還付」が想定できる
という場合には申告を慌てることはありません。
「還付」申告は提出期間が5年間と余裕があります。
令和5年(2023年)分の所得税であれば、令和6年(2024年)~令和10年(2028年)
提出可能です。
上記の5年間の提出可能期間は「通年」です。
2月16日~3月15日に限定されているわけではありません。
寒くあれた天候の中、何時間もかけて相談会場で還付申告を行う
といった必然性はありません。
春以降に還付申告を先送りする選択肢もあります。
そもそも論ですが、電子申告(e-Tax)の利用がおすすめです。
「確定申告書等作成コーナー」にデータを入力すれば、
自動的に納付や還付の金額が判明します。
スマホとマイナンバーカードで対応できる対象であれば、
相談会場へ積極的に赴かずに済みます。
税金の負担は義務ですが、複数の選択肢がある場合には、
最も有利な選択肢の利用がおすすめです。
蛇足
還付申告は税負担の義務は済んでいる状況での申告なので、
申告が必要なわけではありません。
そういった点でも慌てることはない手続きと言えます。
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