相続よりも経理と決算の話からアプローチ!?
事業者の相続と準確定申告
相続税の生前からの話し合いは気が重くなりがちです。
一方で、相続税の申告以前に解決しておく手続きが
忘れがちになるかもしれません。
事業者と準確定 気が重くなりがちの反面
割り切っているつもりでも割り切れない気持ちがある
ということは相続にはつきものです。
エンディングノート・終活・遺言書の作成といった話は
客観的な目線では理解しつつも、先送りしがちです。
いざ相続が開始されたときになって、ようやく問題が見えてくる
といったことは少なくありません。
そうしたときに、問題が被相続人の相続だけでなく、
- 被相続人の事業に関連した準確定申告が必要
という事態に相続人が直面して戸惑われることがあります。
事業者と準確定 誰も知らない!?
会社を経営している場合であれば、顧問契約している税理士がいる
ということが一般的です。
相続人が被相続人の事業に関与していない場合であっても
税理士に照会することができます。
一方、個人事業主の場合は事業者が経理・決算・申告を行っており、
配偶者を含む家族も状況がわからないことがあります。
個人事業主というと「事業」所得を連想しがちですが、
「不動産」所得でも同様の状況がありえます。
相続税は申告期限は相続開始から10か月となっていますが、
準確定申告の期限は4か月です。
事業に関連した準確定申告では申告書だけでなく、
- 帳簿
- 決算書
といった会計上の処理も必要となります。
申告までの限られた時間を有効に使う必要があります。
事業者と準確定 資料の所在と保管から
被相続人が決算をともなう確定申告をしている場合かつ
税理士の関与がない場合であれば、
- 過去の決算書・申告書
- 事業用の通帳
- 帳簿
- 売上や支払いに関する請求書
- 領収書・レシート
- 「確定申告のお知らせ」はがき etc
といった資料が参照の対象になります。
また、パソコンを使用してる場合であればパスワードも
処理を進める上で必要になってきます。
事業に関与してない相続人が準確定申告を進めることが困難で、
税理士に処理を依頼する場合でも上記の資料は必要となります。
相続についての相談は家族であってもストレートには話しづらい
という印象があります。
準確定申告の可能性がある相続での想定であるならば、
準確定申告から相続対策をしてみるアプローチもあります。
本来は事業者(=被相続人)が行っている資料の所在や保管に
焦点を当てるので無理のないアプローチとなります。
相続人が被相続人の事業を理解しておくことも
生前からの相続対策となります。
蛇足
アイキャッチ画像はGoogleレンズによると「ドウガネブイブイ」です。
夏バテ気味なのか日陰でじっとしていました。
漢字では「銅鉦蚉蚉」という表記で、
- 「銅」色で
- 「鉦」という金属打楽器の形状に似た
- 「蚉蚉」と飛ぶ
という意味があるそうです。
害虫扱いされていますが、名前は凝っていますね。
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